白む鏡

文字数 150文字

 鏡が
 息で白む
 魂が
 染むように

 娘を喪ったリア王は
 鏡をよこせとうめいた
 吐息で曇るなら
 娘はまだ生きている

 姿を映すためではなく
 死を確かめるために
 鏡を必要としたのだ

 白んだ鏡を見るかぎり
 ぼくはまだ生きている
 見たくもない自分に
 魂があるかはわからないけど
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