ぼくは腐りながら

エピソード文字数 429文字

 ぼくは腐りながら考えていた
 あらゆる正義はなぜ
 ふためと見られないほど腐り果ててしまうのかと
 その正しさは正しくなかったのか
 他者を威圧する方便に過ぎなかったのか
 正義という言葉が
 これほどに陳腐で穢れたものになってしまったのはなぜなのか

 ぼくは腐りながら考えていた
 あらゆる信仰はなぜ
 ふためと見られないほど腐り果ててしまうのかと
 その神は存在しなかったのか
 他者を無視する方便に過ぎなかったのか
 信仰という言葉が
 これほどに陳腐で穢れたものになってしまったのはなぜなのか

 ぼくは腐りながら考えていた
 あらゆる恋はなぜ
 ふためと見られないほど腐り果ててしまうのかと
 その恋情はくだらないまやかしだったのか
 他者を支配する方便に過ぎなかったのか
 恋という言葉が
 これほどに陳腐で穢れたものになってしまったのはなぜなのか

 ぼくは腐りながら考えていた
 ぼくは腐りながら祈っていた
 ぼくは腐りながら目覚めていた
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