剥がれる自分

エピソード文字数 277文字

 自分が自分から剥がれ落ちるようなこの感覚は
 ふとしたときに訪れる
 昼間でも夜でも
 他人といてもひとりきりでも
 話していても黙っていても
 綱渡りの最中に足運びをしくじってしまったような
 舞台上で演技を忘れてしまったような
 存在がただの棒になる瞬間
 生い立ち・来歴・氏素性
 自分のすべてに疑問符がつく
 自分はなぜここにいるのか
 自分はなぜこの共同体に属しているのか
 自分の記憶はなぜこんなにもよそよそしいのか
 自分の名前は思い出せるが
 それが意味したものとはなんなのか
 剥がれた自分が眺める自分の
 内側からの遠さはなんなのか
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