凡死
文字数 217文字
平凡な死体になることを夢みて
平凡な死に様を幻視する
凡死
だがそれは異常
全き異常
凡庸を死は許容しない
死は異常
ありふれた死はありふれた異常
およそ平凡なものではない
死は異常
それはひとつの哀しい事実
だれも平凡には死なないということ
だれもが異常に呑み込まれて死ぬということ
だれも他者の死を凡庸などと断ずる権利はないということ
だれもありふれた死だから哀しまなくていいなどと自らの怠惰を正当化していい理由はないということ
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