止まった言葉

エピソード文字数 285文字

 詩は舞踏
 散文は歩行
 フランスの詩人のその比喩は
 とてもわかりがいい
 詩と散文の境界は
 明瞭に定められるものかわからないが
 さまざまな言い方で対比されてきた

 詩は短距離走
 散文は長距離走
 そんなふうにも考えた
 散文というよりは小説というべきか
 ただこの考えも
 違うような気がしてきた
 詩は
 動いていないのではないか
 静止することを夢みてはいないか
 氷像のように
 死体のように

 いいややはり詩は動いている
 言葉の震えが詩の命綱だから
 ただ何故か
 いまは
 どうしようもなく止まりたい
 信じがたいほど動かない言葉を見つけたい
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