終わってしまったはずなのに

文字数 254文字

 時が
 ずっと凍りついている
 いつからだろう
 十二のみぎりに
 こころが裂けてしまってからずっとかな
 それなら
 いままで過ごした時間はなんだったのだろう
 生きながらにして生きていない
 なにも
 流れようとしてくれない
 十二のときに
 なぜ死ななかったのだろう
 あのとき死んでいれば
 彼女と会わずにいられたし
 痛みを味わうこともなかった
 本当に
 意味もなく痛みだけが(つの)るこの人生は
 十二のみぎりに
 終わってしまったようなものなのに
 エンディングの後の暗闇が
 やけに長い
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