テーブルの下

エピソード文字数 358文字

 テーブルの下にだれかいる
 でもだれも信じてくれそうにない
 テーブルの下は血でいっぱいだ
 でもだれも信じてくれそうにない
 テーブルの下の惨状を
 テーブルの上しか見ない人に
 伝えることなどできはしない
 万が一きづいても
 かがんでおそるおそる瞥見するだけで
 すぐさま背筋を伸ばし
 なにも見なかったように
 テーブルの上の華やかな会話に戻るだろう
 テーブルがいつか
 崩れ落ちでもしないかぎり
 ああああああああ
 おおんおおんおおんおおん
 テーブルの下から阿鼻叫喚
 テーブルの上の果物皿が
 震えるグラスと音を立て
 女主人と客人たちが
 はりついた笑顔をひきつらせる
 それでもテーブルの下の虐殺は
 テーブルの上では存在しない
 だってテーブルの下は暗いから
 だってテーブルの下は暗いから
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