なにを見ても死にたくなる

文字数 303文字

 なにを見ても死にたくなる
 それが癖になってしまった
 人間を見ると死にたくなる
 それが当然になってしまった
 独りでいればどうだろう
 残念なことに自分も人間だった
 自分と直面したときが一番死にたかった
 朝の目覚めに死にたくなり
 昼の日常に死にたくなり
 夕暮れの寂しさに死にたくなり
 夜の憂鬱に死にたくなる
 死にたくない時間がない
 眠っているときだけ死にたくない
 眠っているときだけ死に病まない
 死にたがらずに済む方法がわかった
 ずっと眠っていればいい
 生きている時間はすべて眠ればいい
 こんな詩を書きながら眠ってしまった
 いま起きた
 ずっと眠ることにまた失敗してしまった
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