冬に目覚めたムーミン
文字数 241文字
だれもが眠っているときに起きているのが好きだ
たしかムーミンに
そんな話があった
他のみんなは冬眠している夜
ひとり
目覚めてしまうムーミントロール
読んでいてぞくぞくするような
蠱惑的な場面
忘れられない風景のひとつ
物語は
筋や人物がおぼろになっても
イメージの断片は
いつまでも記憶にこびりつく
自分自身の過去と
同じくらいの強さで
いつかの夜の幼い自分と
冬眠から覚めたムーミントロール
眠りに囲まれた澄んだ孤独が
記憶のなかで響きあう
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