選別
文字数 326文字
異性が視界に入ると
無意識に選別していることに
気づく
自分勝手な美醜の物差しと
手前勝手な好悪の天秤で
“すべて色情を懐 きて女を見るものは、既に心のうち姦淫したるなり。もし右の目なんぢを躓かせば、抉 り出 して棄てよ”
わが最愛の詩人は
聖書のこの箴言を
倒錯したものだと非難していた
人間は性的渇望を機能としてもっている
それを得意気にあばき立てるのは
倫理的な鋭敏さではなく
病的な鋭敏さでしかないと
そのとおりだと思う
ところで自分の気分としては
他人を選別しているのが気にくわないので
機能だろうが本能だろうが
ことごとく破壊してしまいたい
と
眼を抉りもせずに
考えている
無意識に選別していることに
気づく
自分勝手な美醜の物差しと
手前勝手な好悪の天秤で
“すべて色情を
わが最愛の詩人は
聖書のこの箴言を
倒錯したものだと非難していた
人間は性的渇望を機能としてもっている
それを得意気にあばき立てるのは
倫理的な鋭敏さではなく
病的な鋭敏さでしかないと
そのとおりだと思う
ところで自分の気分としては
他人を選別しているのが気にくわないので
機能だろうが本能だろうが
ことごとく破壊してしまいたい
と
眼を抉りもせずに
考えている