虎と末世
文字数 310文字
虎のように気を失え
虎の失神には
なにか艶 かしいものがある
猛 き者が崩れ落ちる
蜜のように舌先に甘い光景
ネコ科の勇者がたたらを踏む
その敗北の舞踏
牙は砕かれ
眼玉は抉 り取られ
膚 は裂かれ
肉はこそげ取られた
沈黙をつらぬくなけなしの虎
きみの魂は
万物の霊長を憎むか
頬ずりされる仔猫 のように
冷たい無関心を決め込むだけか
虎のように気を失え
終末をいろどる浮かれ騒ぎには
時宜 にかなった振る舞いがある
文明と呼ばれていたなにかが崩れ落ちる
蜜のように舌先に甘い光景
ヒト科の秀才がたたらを踏む
その敗北の舞踏
虎の失神には
なにか
蜜のように舌先に甘い光景
ネコ科の勇者がたたらを踏む
その敗北の舞踏
牙は砕かれ
眼玉は
肉はこそげ取られた
沈黙をつらぬくなけなしの虎
きみの魂は
万物の霊長を憎むか
頬ずりされる
冷たい無関心を決め込むだけか
虎のように気を失え
終末をいろどる浮かれ騒ぎには
文明と呼ばれていたなにかが崩れ落ちる
蜜のように舌先に甘い光景
ヒト科の秀才がたたらを踏む
その敗北の舞踏