善意が信じられなくて

文字数 214文字

 やさしさの底をえぐると
 やさしさではない汚水が
 にじみ出てくることだろう
 そもそもえぐる必要などないのに
 なぜそんなことをしてしまうのか

 疑念が
 絶えずある
 善意を信用できない
 自分のなかの善ですら
 ひたぶるに疑わしい
 いちど砕いてすりつぶして
 ああ本物だったかとやっと確認して
 そのときにはもう
 元には戻せない

 ぼくはこれまでなんど
 信じるべきものを信じられなくて
 自ら砕いてしまったのか
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