夜闇にだれかが窓の明りを

エピソード文字数 300文字

 胸の奥底がたぎっている
 夜
 記憶にさいなまれて
 いつもこめかみの辺りが痛い
 夜
 大切ななにかが砕けてしまうのを
 鼻歌まじりの笑みでやり過ごすしかなかった
 夜

 もうだれも
 訪れる者などいない
 もうだれも
 鍵を開ける者などいない

 いまは室内
 空の色はわからない
 きっとただただ
 暗いのだろう
 みなくてもわかった
 明日の夜も
 これから先も

 ぼくはいま
 明りのまえで
 この光を
 窓の外から目にするだれかを
 夜闇を散歩する気まぐれなだれかを
 信じようとして
 信じられず
 明りのまえで
 この光を理解できるのは自分だけなのかと
 それだけがひどく侘しい
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