テントの惨状

文字数 150文字

 お母さまは死んでいた
 お腹を痛めて産んだわたしの
 背骨の辺りを見つめながら
 お爺さまは死んでいた
 殴りつけられても黙っていたわたしの
 白い鱗に目が眩んだまま
 村長の(めかけ)は黙っていた
 親殺しの醜悪さに
 笑いをこらえながら
 わたしは鉈を引きずりながら
 好色なテントの外に出た
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み