年老いた死の臨終
文字数 272文字
年老いた死が
寝床でくたばろうとしている
死はもう起き上がる気力もない
誰を殺すこともできない
老いさらばえた死が
枯れ枝のような腕を伸ばして
視線を虚空にさまよわせる
寝床を取り囲む者たちは
嗤 いながら死の老醜を見下ろしている
もうこれからは
誰一人死ぬことはない
眼前でいま死にかけている
呪われつづけた老害をのぞけば
いままさに死が死にかけている
生きとし生ける者すべてに憎まれながら
この世を後にしようとしている
今夜
死が死んだ
世界中が歓喜と祝福でわきかえり
死を悼む者はいなかった
寝床でくたばろうとしている
死はもう起き上がる気力もない
誰を殺すこともできない
老いさらばえた死が
枯れ枝のような腕を伸ばして
視線を虚空にさまよわせる
寝床を取り囲む者たちは
もうこれからは
誰一人死ぬことはない
眼前でいま死にかけている
呪われつづけた老害をのぞけば
いままさに死が死にかけている
生きとし生ける者すべてに憎まれながら
この世を後にしようとしている
今夜
死が死んだ
世界中が歓喜と祝福でわきかえり
死を悼む者はいなかった