夢が見たい
文字数 500文字
最近は夢を見ない
子どもの頃から散々つきまとってきた
なにかに追いまわされる夢も
特に関心を持っているわけではない有名人が出てくる
意味不明な夢も
友人や想い人など会って嬉しい数少ない人たちが現れる
もう一度そこに帰りたい夢も
ほとんど見ない
まるっきり夢を見なくなった
その代わりといってはなんだけど
現実感がどんどん薄れて
茫漠とした夢の中を漂っているような気分
自分の名前や来歴が
とりあえずの設定としか思えない
他人の言葉も自分の言葉も
なにも頭に入ってこない
風景が
舞台の書き割りよりも薄っぺらい
こんなになんの手応えもないと
もうすぐ死ぬんだろうなあって
朝も昼も夜も自然に考えてしまう
夕暮れのひとときに
脊髄を走り抜けるようなパニックに襲われることがあるけれど
叫ぶわけでもなく
泣くわけでもなく
パニックに陥りながらも無表情
きっとこのときが一番
現実に触れているんだろうな
ああ、こころを震わせる夢が見たい
そのまま夢から戻りたくない
悪夢でいいから死なせてほしい
この現実感のなさを
夢で贖 ってほしい
子どもの頃から散々つきまとってきた
なにかに追いまわされる夢も
特に関心を持っているわけではない有名人が出てくる
意味不明な夢も
友人や想い人など会って嬉しい数少ない人たちが現れる
もう一度そこに帰りたい夢も
ほとんど見ない
まるっきり夢を見なくなった
その代わりといってはなんだけど
現実感がどんどん薄れて
茫漠とした夢の中を漂っているような気分
自分の名前や来歴が
とりあえずの設定としか思えない
他人の言葉も自分の言葉も
なにも頭に入ってこない
風景が
舞台の書き割りよりも薄っぺらい
こんなになんの手応えもないと
もうすぐ死ぬんだろうなあって
朝も昼も夜も自然に考えてしまう
夕暮れのひとときに
脊髄を走り抜けるようなパニックに襲われることがあるけれど
叫ぶわけでもなく
泣くわけでもなく
パニックに陥りながらも無表情
きっとこのときが一番
現実に触れているんだろうな
ああ、こころを震わせる夢が見たい
そのまま夢から戻りたくない
悪夢でいいから死なせてほしい
この現実感のなさを
夢で