夕日の受けた傷

文字数 180文字

 夕日が地平線に墜ちて
 取り返しのつかない(ひび)が入ってしまった
 こわれもの注意と
 雲はあれだけ警告したのに
 二日酔いの空は
 自分を染める光が気にくわなくて
 無造作に夕日を放り投げてしまった

 その日以来
 夕日は血を流しつづけている
 血腥(ちなまぐさ)い黄昏で
 傷口を世界に知らしめている
 高慢な御空(みそら)の罪を(あか)している
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み