存在したくなかった

文字数 252文字

 存在しているのが嫌だ
 存在していると
 なにかを感じたり
 なにかを思い出したりしてしまうから
 記憶のすべてがずきずき痛む
 感じるのは喪ったという寂しさばかり
 死後に自分は存在するか?
 そこでもなにかを感じたり
 なにかを思い出さなければならないのか?
 たまらなく嫌だ
 死ぬほど嫌だ
 死後においても死ねるのか?
 存在しないためにはどれだけ死ななければならないのか
 自分がなぜ存在しているのか微塵も理解できない
 許容できない
 存在したくなかった
 存在してから言っても
 遅いけど
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