臨終ヘッドホン

エピソード文字数 282文字

 いつも幸せそうに見えると
 人から言われた
 自己認識とのあまりの乖離に
 笑ってしまう
 幸せな人間が死にたがる詩を書くだろうか?

 書くのかもしれない
 たしかに音楽を聴いているときは幸福だし
 頭のなかではいつもなにかしら音楽が流れているわけだから
 憂鬱であろうが死にかけていようが
 いつも幸せなのかもしれない
 臨終のときは
 ヘッドホンが入り用だな
 血を吐こうが胸をかきむしろうが
 ヘッドホンさえあてがっておけば
 おとなしくなる末期患者
 ヘビメタと演歌は
 できればやめてくれ
 死ぬ前に好きな音楽を聴けるなら
 願ってもない終油の秘蹟だ
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