理解は遅れてやってくる

文字数 208文字

 理解できなかった本や音楽が
 あるときなぜか気がかりになり
 もういちど触れてみると
 澄んだ雪どけ水のようにこころに流れ込み
 感じとれなかった息吹きを触知できるようになる
 それと似たようなかたちだが
 不可解だっただれかの言葉や振舞いが
 ずいぶん後になってから記憶に呼び戻され
 あれはそういうことだったのだろうかと
 腑に落ちるときがある
 でもたいてい理解したときには
 その人はすでに彼方に去っている
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