雨の最初の一滴

文字数 217文字

 雨の最初の一滴が
 唇に優しく触れた
 それから
 ぽつぽつぽつ
 ざあざあざあ
 人間の生まれた数と同じほどに降りそそぐ雨滴(うてき)
 でもずぶ濡れのぼくが求めるのは
 死にたくなるほどに恋い焦がれているのは
 初めて触れたあの(しずく)だけ
 この世の終わりまで雨が降り続いても
 代わりなんて存在しない
 雨の最初の一滴は
 どこへまぎれてしまったのだろう
 どうして触れてくれたのだろう
 どうして消えてしまったのだろう
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