幽霊のようなきみの涙
文字数 732文字
泣いている
きみは泣いている
きみの涙は誰にも見えない
そればかりかむしろ
なぜそんなにも無感動なのかと
人に会うごとに言われる始末
けれどもきみは泣いている
そうしてきみは
みんなが泣いているそのときに
誰の涙も信じられなくて
人の非難する仏頂面のまま
人々の涙の裏側にある
背筋の凍るような残酷さに怯えている
なるほどたしかに
あなたたちは泣いている
それならばなぜ
あなたたちは自らの足が踏みにじっている者に気づかないのか
誰からも涙を注がれない
あまりにも稀薄な弱者たちを無視するのか
きみは声なき声をあげる
きみの涙のように伝わらない声で
そうしてきみの足下にも
きみがどれだけそれを望まなくとも
きみがどれだけそのことで狂いそうになっても
きみの足下にも
踏みにじられた弱者たちの影
無言で見上げるかそけき眼差し
もしきみが
優しすぎるあまりにこころの破れた
きみの友達の轍 を踏まずにいようとするならば
落涙の報いを期待するな
他者からの励ましを期待するな
もしきみが
優しすぎるあまりにこころの破れた
きみの友達を忘れたくないならば
見えない涙をこぼすことをやめるな
魂を賭けた正義を捨て去るな
決して歪んだ涙を流すな
決して歪んだ正義を振りかざすな
歪みきったそれらは
人を傷つけても恬 として恥じない
そうしてこころに誓ってもなお
自分が歪んでしまったことに気づいたとしたら
そのときは足下の彼らを思い出せ
彼らの眼に宿る光を思い出せ
幽霊でさえ
誰かが見つけてくれることもある
きみの涙も
きっとどこかで見守られているはずだ
きみは泣いている
きみの涙は誰にも見えない
そればかりかむしろ
なぜそんなにも無感動なのかと
人に会うごとに言われる始末
けれどもきみは泣いている
そうしてきみは
みんなが泣いているそのときに
誰の涙も信じられなくて
人の非難する仏頂面のまま
人々の涙の裏側にある
背筋の凍るような残酷さに怯えている
なるほどたしかに
あなたたちは泣いている
それならばなぜ
あなたたちは自らの足が踏みにじっている者に気づかないのか
誰からも涙を注がれない
あまりにも稀薄な弱者たちを無視するのか
きみは声なき声をあげる
きみの涙のように伝わらない声で
そうしてきみの足下にも
きみがどれだけそれを望まなくとも
きみがどれだけそのことで狂いそうになっても
きみの足下にも
踏みにじられた弱者たちの影
無言で見上げるかそけき眼差し
もしきみが
優しすぎるあまりにこころの破れた
きみの友達の
落涙の報いを期待するな
他者からの励ましを期待するな
もしきみが
優しすぎるあまりにこころの破れた
きみの友達を忘れたくないならば
見えない涙をこぼすことをやめるな
魂を賭けた正義を捨て去るな
決して歪んだ涙を流すな
決して歪んだ正義を振りかざすな
歪みきったそれらは
人を傷つけても
そうしてこころに誓ってもなお
自分が歪んでしまったことに気づいたとしたら
そのときは足下の彼らを思い出せ
彼らの眼に宿る光を思い出せ
幽霊でさえ
誰かが見つけてくれることもある
きみの涙も
きっとどこかで見守られているはずだ