仲違いした友達

エピソード文字数 477文字

 昔ひどい仕打ちをした友達と
 仲直りする夢をみた

 それはこころの片隅で
 ずっと引っかかっていることではあった
 あれほど親しかったはずなのに
 つまらないきっかけで仲違いし
 なぶるような
 せせら笑うような
 深傷を負わせるような攻撃を加えた
 自らにも傷を残すことになるとは
 そのときは気づきもしなかったけれど

 そののち和解することはなかった
 昨日の友は今日の敵だった
 まともに言葉を交わすこともなく
 顔を合わせては無視しあって
 そのままお互いの人生から退場した

 ずいぶん昔の話なのに
 いまごろにそんな夢をみるとは
 不思議にも思えるし
 不思議ではない気もする
 人と人とは離れていくものだけど
 傷を残した別れの痛みは
 遠く過ぎ去ってくれはしない
 痛みに老いはないのだから

 十年以上も経ってから
 夢のなかで与えられた許しは
 ただの願望によるまやかしか
 記憶の整理の副産物か
 夢をみるまで
 そんなことは思い出すことも稀だったのに
 許しをどこかで求めていたのか
 彼はいまどんなふうに生きているのだろう
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