宗教戯れ歌十首

文字数 382文字

 神と会い
 遊び疲れて家路(いえじ)つく
 神はいまでもひとりで遊ぶ


 天使から
 もらった花を瓶に差す
 水が淀んだ彼奴(きゃつ)は悪魔だ


 聖堂に
 讃美歌ひびき胸さわぐ
 ここには誰ももういないのに


 神は愛
 胸の奥底みちてゆく
 神とも愛とも呼ばれるもので


 ゲヘナにて
 隣の人の荷を盗む
 焼きつくされても俺は悪人


 山上で
 彼の人の(おし)え聞きながら
 空を流れる雲が綺麗だ


 蛇は好き
 罪そそのかす悪魔でも
 巳年(みどし)に生まれた凡夫(ぼんぷ)(さが)


 創世記
 読むと必ずお腹へる
 腹が減っては天地も造れぬ


 父と子と
 聖霊の御名(みな)において詩を
 書けば愚作も三位一体(さんみいったい)


 光あれ
 太初(はじめ)御言葉(みことば)うつくしく
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