網目

文字数 164文字

 もしもぼくの死体が
 他のだれかの死体を連想させたなら
 死んだ甲斐もあろうというものだ
 無関係な死者などいない
 クモの糸より細い紐帯が
 広がり続ける網目を形成している
 点として目視可能な部分だけを
 古代人は死と名づけた
 しかし視えない
 伏在する関係は視えない
 死体と死体をつなぐ鉄鎖が
 酸素のように縄張りを限定する
 その仕組みを
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