密葬
文字数 291文字
そうだった
そういえば
もともとだれに読まれるかもわからず
あてもなく書いていたのだった
いつのまにか
親切な人が欠かさず読んでくれていたから
甘えてしまったような気がする
そうだった
もとはといえば
自分以外がとうてい読むとは思えずに
だれにも見せない遺書のように
秘密めかして
だれにも会わない湖に
言葉を投げて
微かな波紋も期待せず
想いを沈めていたんだ
そうだった
そうだった
もとはといえば
だれにも知られない想いを
だれにも読まれない言葉で
密葬しているだけだったんだ
十二のみぎりにひとりで埋めた
自分の死体と同じように
そういえば
もともとだれに読まれるかもわからず
あてもなく書いていたのだった
いつのまにか
親切な人が欠かさず読んでくれていたから
甘えてしまったような気がする
そうだった
もとはといえば
自分以外がとうてい読むとは思えずに
だれにも見せない遺書のように
秘密めかして
だれにも会わない湖に
言葉を投げて
微かな波紋も期待せず
想いを沈めていたんだ
そうだった
そうだった
もとはといえば
だれにも知られない想いを
だれにも読まれない言葉で
密葬しているだけだったんだ
十二のみぎりにひとりで埋めた
自分の死体と同じように