夜の電車

文字数 186文字

 夜の電車は
 窓の川
 機械仕掛けの
 灯籠流し
 魂いっぱい
 詰め込んで
 速く速く
 速く流れる
 夜気に連なり
 浮かぶ窓
 都市の川は
 運命を担わない
 乗客のひとりひとりが
 手紙であった時代もあった
 いまは遠い
 どれだけの人間が
 自分には伝えるべきメッセージがあると
 そう錯覚して生きていけるのだろう
 破られ捨てられた手紙の残骸が
 破片の侘しさを抱えるように
 今夜も巡る
 夜を走る
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