日曜日のデパート

エピソード文字数 349文字

 日曜日のデパート
 休日の昼下がり
 親子連れの賑わいに囲まれて
 孤独を湛えた残像が
 うらうらと泣いていた

 なにがそんなに哀しいのか
 なにをそんなに嘆いているのか
 ぼくの未来のような
 ぼくの影のような
 そのみすぼらしい残像は
 群集の明るい華やぎに囲まれて
 うらうらと泣いていた

 眩しさに堪えきれず泣いているのか
 光に触れられない自らを悼んでいるのか
 明るさを疑うことしかできないから
 笑顔に裏貼りされた残酷さしか信じられないから
 裏切りを嗅ぎまわることでしか自分を守れなかったから
 だからそんなにも孤独なのか
 だからそんなにも侘しいのか

 日曜日のデパート
 休日の昼下がり
 ありふれた幸福に囲まれて
 陰気な面立ちの残像が
 ただただうらうらと泣いていた
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