花雨
文字数 232文字
もしもだれかがあなたのなかで
低くうずくまって震えていたら
静かで優しいひとりごとを
胸の内側に放り投げてください
ゆっくりとした
アンダースローで
うずくまっただれかは
きっとそれにも気づかないけれど
いつかふと
地面に散らばる花びらに目をとめて
どこかのだれかが闇の向こうから
スローモーションに降りそそぐ花雨によって
祝福を示そうとしてくれたのだと
哀しみはひとりきりではないのだと
そんな救いを得られるかもしれません
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