そよ風の言葉
文字数 338文字
ああいいなと
思える言葉
本を読んでいて
歌を聴いていて
だれかと話していて
少しばかりこころが動くが
深く胸に刻むほどではない
軽やかな言葉
ああいいなと
そう思って
本を閉じると
歌が終わると
だれかが去ると
すぐに忘れる
淡々しい言葉
そんな言葉が
後になって
どれほど貴重なものとなりえるか
こころを支えるよすがとなりえるか
そのときはわからないのだ
ああいいなと
そよ風のように
こころを吹き抜ける優しい言葉は
この世には
そうそうあるものではないのだと
深く傷つき
泥にへたりこみ
だれも信じられなくなったときに
ようやく思い出し
気づくのだ
その言葉が
どれほどの奇跡に与 っていたのかを
思える言葉
本を読んでいて
歌を聴いていて
だれかと話していて
少しばかりこころが動くが
深く胸に刻むほどではない
軽やかな言葉
ああいいなと
そう思って
本を閉じると
歌が終わると
だれかが去ると
すぐに忘れる
淡々しい言葉
そんな言葉が
後になって
どれほど貴重なものとなりえるか
こころを支えるよすがとなりえるか
そのときはわからないのだ
ああいいなと
そよ風のように
こころを吹き抜ける優しい言葉は
この世には
そうそうあるものではないのだと
深く傷つき
泥にへたりこみ
だれも信じられなくなったときに
ようやく思い出し
気づくのだ
その言葉が
どれほどの奇跡に