そよ風の言葉

エピソード文字数 338文字

 ああいいなと
 思える言葉
 本を読んでいて
 歌を聴いていて
 だれかと話していて
 少しばかりこころが動くが
 深く胸に刻むほどではない
 軽やかな言葉
 ああいいなと
 そう思って
 本を閉じると
 歌が終わると
 だれかが去ると
 すぐに忘れる
 淡々しい言葉

 そんな言葉が
 後になって
 どれほど貴重なものとなりえるか
 こころを支えるよすがとなりえるか
 そのときはわからないのだ
 ああいいなと
 そよ風のように
 こころを吹き抜ける優しい言葉は
 この世には
 そうそうあるものではないのだと
 深く傷つき
 泥にへたりこみ
 だれも信じられなくなったときに
 ようやく思い出し
 気づくのだ
 その言葉が
 どれほどの奇跡に(あずか)っていたのかを
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み