見えているのに見えない

文字数 273文字

 見えているのに見えない
 それはよくある現象
 だれも救えない日常
 見えているのに見えない
 見ようとしないから
 見ることを望まないから
 見えない方が都合がいいから
 旧時代の奴隷
 旧時代の差別
 それはいまでは
 見えたことになっている
 本当に?
 本当に見えたのか?
 本当に見えているのか?
 いま目の前で
 なにが起こっているか
 いまそこで
 自分がなにを行っているか
 その眼は無謬(むびゅう)ではない
 その手は清らかではない
 見えているのに見えない
 それは日常
 なにもないことにされる日常
 だれも救えない日常
 自分の加担している風景に
 いくつ罅割れがあるか数えてみたか
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