夕暮れ、記憶
文字数 239文字
窓から差し込む夕暮れの光
頭上に広がる夕暮れの空
無邪気に笑い合う夕暮れの子どもたち
死にたくなるほどこころが折れた夕暮れの涙
自転車の車輪がまわる音
遠くから聞こえる他人の声
飛んでいる鴉の無言
すべて自分から切り離されていた
自分は急速に終わっていた
風景が自分を拒絶していた
存在している価値がなかった
それでも帰らなければならなかった
どこかに帰らなければならなかった
消えたくなるような夕暮れだった
夕暮れは
記憶にとりどりの層を重ねている
おおくは哀しみをまじえて
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