徴候

エピソード文字数 219文字

 枯葉のささやくかすかな音に
 人ならざるものの衣擦れを感じる
 静けさに意識の焦点を合わせると
 徴候はそこかしこにあらわれる
 通りすぎた(わらべ)の視線
 降下する鳥の揺らぐような軌跡
 水たまりをよぎった淡い鏡像
 すべてがなおも語りかけてくる
 堪えがたいほどに感受する
 塀の上の猫
 開かれた窓
 工事現場に置かれた鉄骨
 ほのかに見えはじめた白い月
 それらが構成する関係の網目が
 神学的なパターンとして押し寄せてくる
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