248話② 番町じゃなく、播州皿屋敷の「お菊井」

文字数 870文字

ただ、姫路城の天守閣部分は、さらに時代がくだって、関ヶ原の合戦の後、姫路城の城主となった池田輝政が建てたもんが大半なんじゃがの。

そうなのか?

ああ。

その後、江戸時代に入って、江戸幕府の譜代大名・本多氏のものとなったんじゃが、この際に、さらに船場川の改修や西の丸の整備が行われたんで、だいたいこの時期で現在の姫路城の全容がほぼ完成したものといわれとるがの。

つまり、まとめると?

姫路に「小城」のようなもんが最初にできたんが、南北朝時代の1346年。

ちゃんとした「城」ができたんが、戦国時代後半。

いまの天守閣部分のメイン部分ができたんが、戦国時代末期。

いまの天守閣がほぼ完成したんが、江戸時代前期、いうところかの。

ややこしいな。

歴史ある城って、そんなもんよ。

ちなみに歴史があるだけに、ここには有名な怪談話にまつわる名所もあるんで。

なんです?

これが、そうじゃ!

これぞ「番町皿屋敷」で有名なお菊さんが身を投げた井戸、「お菊井戸」じゃ!

マジか!?

おう、本当のことで。

その証拠に、ちゃんとお「お菊井」って書いてあろうが。

たしかに書いてあるな……

しかし、あのお話、江戸の「番町」ってところのお話じゃなかったんですか?

おう、その認識で間違ってないで。

ただ、お菊さんの話は諸説あってな、一説には「番町」じゃなくて「播州」、つまりはこの姫路城がある播磨国の話じゃったいうのがあるんじゃ。

マジでぇ!?

マジマジ。

しかも「番町皿屋敷」の方は江戸時代のことなんじゃが、「播州皿屋敷」の方は戦国時代のことになるんで、むしろこっちのほうがルーツではないかともいわれとるわけなんよ。

加えて言えば、「番町皿屋敷」の敵役は青山播磨守主膳という侍なんじゃが、「播州皿屋敷」の敵役は青山鉄山いう侍で、舞台は播磨。

のう、いろいろ符合するもんがあって、おもしろかろう?

たしかに……

そう言われれば、なおさら興味がわいてくるもんだな。

せっかく姫路城いったんじゃったら、こういうのもちゃんと見てもらわんとの。

でも、そのせっかくの姫路城でこんなものを推すのは……

たぶんこいつぐらいのもんだろうな……

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登場人物紹介

今岡英二公式ツイッター(一日トリビアつぶやき中)



■今岡英二(天使)


最近「小説のキャラよりキャラが立っている」といわれる、同コラボノベルの作者。

無駄に行動力だけはある。

なお、この絵は作者がバンド活動をしていたとき、知り合いのイラストレーターが作成してくれたお気に入りの一枚。現在はバンド活動から離れ、体重が増加したため、ここまでかっこよくはない。


「上京して十数年経つが、広島弁が抜けりゃあせんのう(笑)」とは本人の弁。


■今岡英二(悪魔)


悪魔イラストの割りに、天使と対立しているわけでもない。広島生まれ・広島育ちの根っからのカープファンだが、近年カープが人気しすぎて、年一回の帰省でも現地で野球が見れないのが最近の悩み。


「ええんじゃ。昔の貧乏な頃のカープに比べりゃあのう。みんなが見に来てくれて、潤うようになったカープがありゃあ、それだけでええんじゃ……」とは作者のコメント。

■今岡英二(お守り)


歴史オタク・読書オタク・漫画オタク・勉強オタクな今岡英二の変態担当、作家・ライター担当。自身の小説キャラを辟易とさせるなど、悪魔よりも悪魔っぽい存在。


「なんでそんなことまで知っているんだ」「ふつうそこまで知りませんよ」とキャラにつっこまれても、「勉強したけえの」と言えば大抵のことは許されると思っているなど、余計に性質が悪い。

ニコル・クロムウェル(Nicol=Cromwell)


「Dr.ニコルの検死FILE」の主人公。

作者・今岡英二のつっこみ役A。紳士然とした丁寧な語り口だが、作者に対してはたまに辛辣な物言いを吐く。たぶんストレスがたまっているんだね。

武松(ぶしょう)


「大宋退魔伝」の主人公。

作者・今岡英二のつっこみ役B。そろそろ「左近ちゃん 見参!」の三成にでもつっこみ役を代わってもらいたいと思っているが、同作のキャラアイコンが家紋なので却下され、最近やさぐれ気味。きっとストレスがたまっているんだね。

石田三成(いしだ・みつなり)


「左近ちゃん 見参!」の主人公。

同作ではいいツッコミ役を果たしていたが、作者の「キャラアイコンにしっくりくるのがなかったけえ、家紋にした」という一言のせいで、ここでは活躍の場を与えられないという憂き目に遭う。ごめんな。


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