145話① 2022年までの「名古屋競馬場」

文字数 1,102文字

名古屋競馬場が移転するのって、やはり老朽化が原因なんですか?

ほうじゃな。

それが主因であることは紛れもない事実じゃろうな。

じゃが、他の要因がそれを補完したのもまた事実じゃな。

他の要因?

ああ。

近年は稀に見る競馬ブームでな。

どこの競馬場も売り上げを伸ばしとるんよ。

いいことじゃねえか。

おう。

じゃが、その売り上げの大半がネット売り上げなんじゃ。

そういえばこの前も同じようなことを言っていましたね。
だからナイター競馬の方が売り上げがいいとも言ってたな。

うむ。

しかし、街中にある名古屋競馬場ではナイター開催はなかなかむずかしいんじゃ。

一方、郊外にある弥富トレーニングセンターであれば、それも可能。

なので、不便な場所に作っても、ネットの売り上げさえあれば十分いうことで、

移転を決断したというわけなんじゃ。

ネットの売り上げだけで本当に十分なのか?

ああ。

名古屋競馬場の試算によれば、実際の競馬場での売り上げは1割程度なんじゃそうな。

1割っ!?

ああ。

もっとも場外馬券売り場もあったりするけえ、残りの全部がネット売り上げいうわけじゃなかろうが、競馬場がへんぴなところに行って、客足が途絶えても、売り上げは十分担保できると踏んだんじゃろうな。

なるほど。

そういう試算があるんですね。

じゃが、一方でこれは「生競馬観戦からのコアファン獲得」

捨てることにもなりかねんけえ、諸刃の剣ではあるがのう。

いろいろ心配はつきねえんだな。

ああ、なんせああいう味のある競馬場がなくなること自体、わびしいもんがあるけえな。

その後の趨勢も気になろうというもんじゃろうて。

ああいうのが好きだっていうのは、そうそういないと思いますよ……

そうかのう。

こういう老朽化した施設も、なかなかに味があってよかろ?

いや、同意できねえから……
じゃあ、こういう謎の看板はどうじゃ?

今なら「ベビールーム(授乳室)」とでも言うんじゃろうが、

「オムツ交換所」というこの武骨な響きがたまらんのう。

だいたい赤ちゃんがなぜか灰色というのも謎で、ええわ。

むしろツッコむところですよね、それ?
そして、なぜか名古屋競馬場の至るところに貼られてるこのポスター。

セアカゴケグモを見つけたら、触るなというならまだわかるんじゃが、

「踏みつぶして!」と積極的に指示しとるところに、

名古屋競馬場のバイオレンスさを感じるのう。

いや、感じねえよ……
むしろなんでそんなもの、写真に撮ってるんですか……?

おもしろかったけえ。

そうでした……
こいつは、こういうやつだった……

ま、競馬場の移転が行われるんは2022年のことじゃけえ、

それまではこの独特の味がある名古屋競馬を

一人でも多くの人に見てもらいたいもんじゃな。

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登場人物紹介

今岡英二公式ツイッター(一日トリビアつぶやき中)



■今岡英二(天使)


最近「小説のキャラよりキャラが立っている」といわれる、同コラボノベルの作者。

無駄に行動力だけはある。

なお、この絵は作者がバンド活動をしていたとき、知り合いのイラストレーターが作成してくれたお気に入りの一枚。現在はバンド活動から離れ、体重が増加したため、ここまでかっこよくはない。


「上京して十数年経つが、広島弁が抜けりゃあせんのう(笑)」とは本人の弁。


■今岡英二(悪魔)


悪魔イラストの割りに、天使と対立しているわけでもない。広島生まれ・広島育ちの根っからのカープファンだが、近年カープが人気しすぎて、年一回の帰省でも現地で野球が見れないのが最近の悩み。


「ええんじゃ。昔の貧乏な頃のカープに比べりゃあのう。みんなが見に来てくれて、潤うようになったカープがありゃあ、それだけでええんじゃ……」とは作者のコメント。

■今岡英二(お守り)


歴史オタク・読書オタク・漫画オタク・勉強オタクな今岡英二の変態担当、作家・ライター担当。自身の小説キャラを辟易とさせるなど、悪魔よりも悪魔っぽい存在。


「なんでそんなことまで知っているんだ」「ふつうそこまで知りませんよ」とキャラにつっこまれても、「勉強したけえの」と言えば大抵のことは許されると思っているなど、余計に性質が悪い。

ニコル・クロムウェル(Nicol=Cromwell)


「Dr.ニコルの検死FILE」の主人公。

作者・今岡英二のつっこみ役A。紳士然とした丁寧な語り口だが、作者に対してはたまに辛辣な物言いを吐く。たぶんストレスがたまっているんだね。

武松(ぶしょう)


「大宋退魔伝」の主人公。

作者・今岡英二のつっこみ役B。そろそろ「左近ちゃん 見参!」の三成にでもつっこみ役を代わってもらいたいと思っているが、同作のキャラアイコンが家紋なので却下され、最近やさぐれ気味。きっとストレスがたまっているんだね。

石田三成(いしだ・みつなり)


「左近ちゃん 見参!」の主人公。

同作ではいいツッコミ役を果たしていたが、作者の「キャラアイコンにしっくりくるのがなかったけえ、家紋にした」という一言のせいで、ここでは活躍の場を与えられないという憂き目に遭う。ごめんな。


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