95話③ 【変】見どころ満載の「北海道大学」

文字数 1,096文字

で、締めくくりは北大総合博物館というわけよ。
博物館?
たしか明大や東大の博物館にも行ってたが、あんな感じか?

おう。

ただ、その規模や収蔵数はあんなもんじゃないで。

なんせ、これだけの見どころがあるんじゃけえな!!

すげえな!!
いろんな剥製まであるんですね!!
剥製だけじゃのうて、恐竜の化石まであるんで。
ほんと、見どころまんさいなんですね!!

な?

ほいじゃけえ、見どころが多いいうたじゃろ。

これだけの収蔵数があるのに、無料で見せるいうのは大学博物館ならではといえようてな。

これだけの量がありながら無料ですか……
たしかにそいつはお得だな。
ちなみに北海道ならではいうことで、こういうのまで展示してあったで。
木彫りの熊か!!
ある意味「イヤゲもの」の代表格じゃないですか!

まあのう。

じゃが、これ、もともとは徳川家とスイス由来のものじゃったって知っとるか?

そうなのか?

徳川家とスイス?

どっちも北海道とは縁がなさそうな気がするんですが……

いや、それが実は深いところでつながっとるんよ。

というのは、そもそも明治期の開拓時代にはいろんなところから北海道に入植しとるんじゃが、尾張徳川家からも相当な人数が行かされとったんよ。

幕府側だったからでしょうか?

まあ、それもあったじゃろうな。

で、尾張徳川家当主じゃった徳川義親は、北海道に入植した元家臣たちから「冬の厳寒期には収入となるものがない」といわれ、頭を悩ましとったんじゃ。

雪国だろうしな。

しょうがねえところだろうな。

で、同じ雪国であるスイスを訪れたとき、現地である土産物を見て、「これじゃ!」と思うたそうな。
まさか……!?

そう、そのまさか。

それが木彫りの熊じゃったいうわけよ。

で、旧尾張藩の家臣たちは、冬の厳寒期の収入源として木彫りの熊を作った。

ついでに付近のアイヌたちにも同様のものを推奨した。

かくして次第に世に広まるようになり、

彼らの代表的なん収入源となったということなんじゃ。

そんなストーリーが……
あったなんてな……
しかし、なんでその木彫りの熊が北海道大学の博物館にあるんですか?

ああ。

それはじゃな、近年、土産物としての立場をなくしつつある一方、

研究の分野では「伝統的な美術工芸品として見直し、ルーツを探ろう」とする動きが現れてきとるんじゃ。

おそらくは北海道大学でもそういう理由で収集しとるんじゃろうてな。

こういうの研究するやつがいるんだな……
どこにもそういう変人な研究者はいるもんじゃて。
お前さんに変態といわれたら……
その人は立つ瀬がないでしょうけどね……
そんなわけで見どころ満載の「北海道大学」、みなさんも札幌に行かれた際にはぜひ一度足を運んでみてつかあさい!!

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登場人物紹介

今岡英二公式ツイッター(一日トリビアつぶやき中)



■今岡英二(天使)


最近「小説のキャラよりキャラが立っている」といわれる、同コラボノベルの作者。

無駄に行動力だけはある。

なお、この絵は作者がバンド活動をしていたとき、知り合いのイラストレーターが作成してくれたお気に入りの一枚。現在はバンド活動から離れ、体重が増加したため、ここまでかっこよくはない。


「上京して十数年経つが、広島弁が抜けりゃあせんのう(笑)」とは本人の弁。


■今岡英二(悪魔)


悪魔イラストの割りに、天使と対立しているわけでもない。広島生まれ・広島育ちの根っからのカープファンだが、近年カープが人気しすぎて、年一回の帰省でも現地で野球が見れないのが最近の悩み。


「ええんじゃ。昔の貧乏な頃のカープに比べりゃあのう。みんなが見に来てくれて、潤うようになったカープがありゃあ、それだけでええんじゃ……」とは作者のコメント。

■今岡英二(お守り)


歴史オタク・読書オタク・漫画オタク・勉強オタクな今岡英二の変態担当、作家・ライター担当。自身の小説キャラを辟易とさせるなど、悪魔よりも悪魔っぽい存在。


「なんでそんなことまで知っているんだ」「ふつうそこまで知りませんよ」とキャラにつっこまれても、「勉強したけえの」と言えば大抵のことは許されると思っているなど、余計に性質が悪い。

ニコル・クロムウェル(Nicol=Cromwell)


「Dr.ニコルの検死FILE」の主人公。

作者・今岡英二のつっこみ役A。紳士然とした丁寧な語り口だが、作者に対してはたまに辛辣な物言いを吐く。たぶんストレスがたまっているんだね。

武松(ぶしょう)


「大宋退魔伝」の主人公。

作者・今岡英二のつっこみ役B。そろそろ「左近ちゃん 見参!」の三成にでもつっこみ役を代わってもらいたいと思っているが、同作のキャラアイコンが家紋なので却下され、最近やさぐれ気味。きっとストレスがたまっているんだね。

石田三成(いしだ・みつなり)


「左近ちゃん 見参!」の主人公。

同作ではいいツッコミ役を果たしていたが、作者の「キャラアイコンにしっくりくるのがなかったけえ、家紋にした」という一言のせいで、ここでは活躍の場を与えられないという憂き目に遭う。ごめんな。


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