95話① 【変】見どころ満載の「北海道大学」

文字数 1,227文字

昨日、札幌随一の知名度をほこりながらも、日本三大がっかり名所の1つにも数え上げられとる「札幌市時計台」を紹介したわけなんじゃが、今度は逆に「観光地としての知名度は低いものの、見応え十分の名所」を紹介しちゃろうかの。
そんなところがあるんですか?

ああ。

北海道大学よ。

大学ぅ?
露骨にいやそうな顔すなや。
いや、だってよぉ……
今岡先生はあちこちの大学に出没してるじゃないですか……
明治大学東京大学にも行ってたよな?

ああ、ほうじゃな。

じゃが、北大はそれ以上に見応えがあるんで。

まずはこれじゃ!!

これは「少年よ、大志を抱け」で有名なウィリアム・スミス・クラークの銅像じゃな。

一般的にはクラーク博士の名の方がよう知られとろうな。

ほう、あの銅像か!
でも、見た感じ、有名な銅像とはちょっと違いますね。

ああ。

クラーク博士で有名な銅像は、さっぽろ羊ヶ丘展望台の遠くを指さしとる像のほうじゃろうな。

そうそう、それですよ!

しかし、もともとは北大の胸像の方が有名じゃったんで。

なにしろ北大の胸像は1926年(大正15年)建立されたものじゃけえな。

古っ!!
それからずっとあるんですか?

いや、初代の胸像は太平洋戦争中の1943年(昭和18年)に

金属類回収令によって供出されてな。

いまはもうないんよ。

マジか……

で、1946年(昭和21年)に再建されたんじゃが、相変わらず観光客がどしどし訪れるんで、北大が観光客の一般車両を進入禁止としたんじゃ。

そしたら見に行きにくくなったというわけで、1976年(昭和51年)にさっぽろ羊ヶ丘展望台に立っている像が作られたというわけなんじゃ。

なるほど。
つまり初代胸像は大正時代に作られ、二代目胸像も戦後すぐに作られた有名なもの。立っている像は昭和51年に作られた、わりと後のものってことか?
ま、そうなるな。
知りませんでした……

ま、いまでは立っている像の方が車で行きやすいいうのもあって、

そっちばかりがクローズアップされるけえな。

北大が「学業に支障をきたす」ということで車両通行止めにした目論見が、

違う形で成就された感じじゃの。

たしかにな。
ちなみに「少年よ、大志を抱け」いうたクラーク博士じゃが、日本を離れた後、破産したいうのは知っとるかの?
マジでっ!!

うむ。

実は札幌で教鞭をとったのはわずか9ヶ月でな。

一年も経たずに日本を離れとるんよ。

で、その後は洋上学校の設立を目指すが、失敗。

今度こそはと鉱山の経営に乗り出し、当初こそ成功はしたものの、

共同経営者が横領をした上で逃亡。

結果、クラーク博士は破産する羽目になったということなんじゃ。

ひどい話ですね……

なお、クラーク博士は極貧の生活の中、59歳でこの世を去るんじゃが、

死の間際には「札幌で過ごした9か月間こそ、私の人生で最も輝かしい時だった」と言い残したといわれとるんじゃ。

そりゃ、そうでしょうね。
ま、「少年よ、大志を抱け」いうたクラーク博士自身は、

大志を抱きすぎて失敗したというわけじゃな。


台無しだよ!!

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登場人物紹介

今岡英二公式ツイッター(一日トリビアつぶやき中)



■今岡英二(天使)


最近「小説のキャラよりキャラが立っている」といわれる、同コラボノベルの作者。

無駄に行動力だけはある。

なお、この絵は作者がバンド活動をしていたとき、知り合いのイラストレーターが作成してくれたお気に入りの一枚。現在はバンド活動から離れ、体重が増加したため、ここまでかっこよくはない。


「上京して十数年経つが、広島弁が抜けりゃあせんのう(笑)」とは本人の弁。


■今岡英二(悪魔)


悪魔イラストの割りに、天使と対立しているわけでもない。広島生まれ・広島育ちの根っからのカープファンだが、近年カープが人気しすぎて、年一回の帰省でも現地で野球が見れないのが最近の悩み。


「ええんじゃ。昔の貧乏な頃のカープに比べりゃあのう。みんなが見に来てくれて、潤うようになったカープがありゃあ、それだけでええんじゃ……」とは作者のコメント。

■今岡英二(お守り)


歴史オタク・読書オタク・漫画オタク・勉強オタクな今岡英二の変態担当、作家・ライター担当。自身の小説キャラを辟易とさせるなど、悪魔よりも悪魔っぽい存在。


「なんでそんなことまで知っているんだ」「ふつうそこまで知りませんよ」とキャラにつっこまれても、「勉強したけえの」と言えば大抵のことは許されると思っているなど、余計に性質が悪い。

ニコル・クロムウェル(Nicol=Cromwell)


「Dr.ニコルの検死FILE」の主人公。

作者・今岡英二のつっこみ役A。紳士然とした丁寧な語り口だが、作者に対してはたまに辛辣な物言いを吐く。たぶんストレスがたまっているんだね。

武松(ぶしょう)


「大宋退魔伝」の主人公。

作者・今岡英二のつっこみ役B。そろそろ「左近ちゃん 見参!」の三成にでもつっこみ役を代わってもらいたいと思っているが、同作のキャラアイコンが家紋なので却下され、最近やさぐれ気味。きっとストレスがたまっているんだね。

石田三成(いしだ・みつなり)


「左近ちゃん 見参!」の主人公。

同作ではいいツッコミ役を果たしていたが、作者の「キャラアイコンにしっくりくるのがなかったけえ、家紋にした」という一言のせいで、ここでは活躍の場を与えられないという憂き目に遭う。ごめんな。


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