182話① 日本百名城の1つ「盛岡城」

文字数 970文字

盛岡に行ったら、やはり盛岡城は見とかんといけまあて。
見とかんといけんって……
てめえはどこ行っても城やら城跡やらを見てるじゃねえか……

ほうで。

それのなにが悪い?

開き直りやがったよ……

やはりその地の歴史を知るには、城跡を見るのが一番なんよ。

なんせかつてはその地で一番の象徴じゃった場所なわけじゃけえな。

たしかに一理ありますが……
見栄えしねえところも多いだろうに……

それはそれよ。

現存天守もあれば、復興天守もある。

復興天守もなく遺構だけのところもあれば、

そもそも木々に埋もれ、自然の一部となり果てたようなのまである。

ほら、あれよ。「みんな違って、みんなええ」いうことじゃな。

その言葉の使い方……
絶対間違っているからな……
で、くだんの盛岡城なわけじゃが、予想通り、ここは城跡なわけなんよ。
やっぱりか……
だと思いましたよ……

おいおい、見る前からがっかりしんさんなや。

もともと南部氏がおさめとった盛岡城跡は、城跡のわりにはそれなりに見どころも多いほうじゃけえな。

ほれ、これがその盛岡城跡よ!!

たしかに!
思ったよりは悪くねえな!

な、言うたとおりじゃろ?

仮にも「百名城」の1つに選出されとるんじゃけえ、城跡といえどバカにしたもんじゃないんよ。

しかし、最後の……台座ですか?
あれはなんだったんだ?

ああ、あれか。

あれは見たままの台座よ。

だからなんの台座か聞いてんだろうが!!

実はあそこには戦前、銅像があったんじゃ。

しかし戦中の金属供出でとっぱらわれてしもうてな。

以来、そのまま台座だけが残されとるいうことなんじゃ。

もともとなんの銅像が立ってたんですか?
あそこには南部利祥中尉いうて、日露戦争で戦死した陸軍軍人の銅像が立っとったんじゃ。
南部ってことは、もしかして……?

そう。

察しの通り、盛岡藩主の血筋のお方じゃな。

っていうか、最後の盛岡藩主・南部利恭の長男で、南部家第42代当主だった人なんよ。

世が世ならってやつか。

実際、お殿様の長男で、日露戦争時も伯爵じゃったわけじゃしな。

くわえて大正天皇のご学友でもあったわけじゃけえ、将来が嘱望されとった人物なんは間違いなかろうてな。

そりゃ、銅像も立てられるわけだな。

うむ。

で、立て直されとらんのは、やはり江戸期のお殿様とかじゃのうて、近現代の軍人じゃったけえじゃろうな。

ま、こればかりは致し方のないところと言えようてな。

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登場人物紹介

今岡英二公式ツイッター(一日トリビアつぶやき中)



■今岡英二(天使)


最近「小説のキャラよりキャラが立っている」といわれる、同コラボノベルの作者。

無駄に行動力だけはある。

なお、この絵は作者がバンド活動をしていたとき、知り合いのイラストレーターが作成してくれたお気に入りの一枚。現在はバンド活動から離れ、体重が増加したため、ここまでかっこよくはない。


「上京して十数年経つが、広島弁が抜けりゃあせんのう(笑)」とは本人の弁。


■今岡英二(悪魔)


悪魔イラストの割りに、天使と対立しているわけでもない。広島生まれ・広島育ちの根っからのカープファンだが、近年カープが人気しすぎて、年一回の帰省でも現地で野球が見れないのが最近の悩み。


「ええんじゃ。昔の貧乏な頃のカープに比べりゃあのう。みんなが見に来てくれて、潤うようになったカープがありゃあ、それだけでええんじゃ……」とは作者のコメント。

■今岡英二(お守り)


歴史オタク・読書オタク・漫画オタク・勉強オタクな今岡英二の変態担当、作家・ライター担当。自身の小説キャラを辟易とさせるなど、悪魔よりも悪魔っぽい存在。


「なんでそんなことまで知っているんだ」「ふつうそこまで知りませんよ」とキャラにつっこまれても、「勉強したけえの」と言えば大抵のことは許されると思っているなど、余計に性質が悪い。

ニコル・クロムウェル(Nicol=Cromwell)


「Dr.ニコルの検死FILE」の主人公。

作者・今岡英二のつっこみ役A。紳士然とした丁寧な語り口だが、作者に対してはたまに辛辣な物言いを吐く。たぶんストレスがたまっているんだね。

武松(ぶしょう)


「大宋退魔伝」の主人公。

作者・今岡英二のつっこみ役B。そろそろ「左近ちゃん 見参!」の三成にでもつっこみ役を代わってもらいたいと思っているが、同作のキャラアイコンが家紋なので却下され、最近やさぐれ気味。きっとストレスがたまっているんだね。

石田三成(いしだ・みつなり)


「左近ちゃん 見参!」の主人公。

同作ではいいツッコミ役を果たしていたが、作者の「キャラアイコンにしっくりくるのがなかったけえ、家紋にした」という一言のせいで、ここでは活躍の場を与えられないという憂き目に遭う。ごめんな。


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