232話② 悲恋物語のある、長野の高遠城

文字数 1,245文字

で、今回はどこを紹介していただけるんですか?

ほうじゃな。

伊那地方の高遠城とか、どうかの?

……どこだ、それ?

なんじゃ知らんのか。
聞いたことはあるんですが、どのへんかまでは……。
長野県に伊那市ってのがあるんじゃが、そのあたりが伊那地方になるのう。
またマニアックだな!
ちなみに長野は山国のせいもあってな、大きく4つのエリアに分断されとるんよ。
4つのエリア?
ああ、まず長野市がある北信、松本市がある中信、上田市がある東信、そして諏訪や飯田や伊那がある南信じゃな。
細かいな!

まあ、しゃあない。

それが長野いうもんじゃけえな。

で、今回はその南信の伊那ってわけですか?
おう。
そんなところにわざわざ行くやついんのか?

それがわりとおるもんで。

なんせ伊那市の高遠城は日本百名城の1つでもあるけえな。

ほれ、こんな感じよ!

ほう、これはなかなか!
見所がある感じだな!

ほうじゃろ。

縄張り、つまりここを設計したのは、武田信玄の家臣・山本勘助。

しかも武田氏にとってここは重要な地でもあったんで、基本的に武田一族が城主を務めたっていういわくつきのお城でもあるんじゃ。

城主を務めた武田一族って誰ですか?

ほうじゃの。

たとえば武田信玄の跡継ぎになった、武田勝頼

武田信玄とわりと似とったせいで、武田信玄の影武者も務めた、武田信玄の弟・武田逍遙軒こと武田信廉

織田信長に攻め込まれた際、最後まで抵抗した、武田信玄の五男・仁科盛信、などなどじゃな。

めちゃくちゃ重要な地じゃねえか!

ほうで。

ちなみに仁科盛信が城主を務めてた際、この城には盛信の妹・松姫いうのもこの城におったんじゃが、こいつは織田信長の跡継ぎの信忠の婚約者じゃったんよ。

で、この城を攻めた織田信長軍の総大将は、その婚約者である信忠自身という、なんとも皮肉な話も残っとるんじゃ。

悲恋というやつですか。

しかしよ、戦国時代の婚約なんざ、わりとそういう損得勘定でやってたりするもんなんだろ?

だったらいうほど悲恋でもないんじゃねえか?

それは当事者じゃないとわからんのう。

ただ、確実にいえるのは、松姫は城を落ち延びた後、剃髪して、生涯独身を貫いた。

一説には徳川家康が側室にしようとしたそうじゃが、それを断った上での出家だったそうな。

一方、織田信忠は側室を持つも、生涯、正室は持っとらん。

あくまで正室候補として婚約したのは、松姫だけいうことなんよ。

なるほど。
それだったら悲恋って言ってもいいかもしれねえな。

ちなみにここは映画や漫画にもなった「大奥」でも取り上げられた「江島生島事件」の舞台のひとつでもあるけえ、そっちのほうで興味がある人も訪れてみるんもええかもしれんの。

なんせここは「江島(絵島とも表記)」「江島生島事件」の後に幽閉された場所でもあって、ちゃんといまでもそれが残されておるんじゃけえな。

てめえってやつは……!
そういうことを、さらっと……!

だって、いちいち話すと長くなるんじゃけえ、しょうがなかろうて。

ほいじゃあ、次のページでは、ここ伊那地方の名物も紹介しちゃろうかいの。

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登場人物紹介

今岡英二公式ツイッター(一日トリビアつぶやき中)



■今岡英二(天使)


最近「小説のキャラよりキャラが立っている」といわれる、同コラボノベルの作者。

無駄に行動力だけはある。

なお、この絵は作者がバンド活動をしていたとき、知り合いのイラストレーターが作成してくれたお気に入りの一枚。現在はバンド活動から離れ、体重が増加したため、ここまでかっこよくはない。


「上京して十数年経つが、広島弁が抜けりゃあせんのう(笑)」とは本人の弁。


■今岡英二(悪魔)


悪魔イラストの割りに、天使と対立しているわけでもない。広島生まれ・広島育ちの根っからのカープファンだが、近年カープが人気しすぎて、年一回の帰省でも現地で野球が見れないのが最近の悩み。


「ええんじゃ。昔の貧乏な頃のカープに比べりゃあのう。みんなが見に来てくれて、潤うようになったカープがありゃあ、それだけでええんじゃ……」とは作者のコメント。

■今岡英二(お守り)


歴史オタク・読書オタク・漫画オタク・勉強オタクな今岡英二の変態担当、作家・ライター担当。自身の小説キャラを辟易とさせるなど、悪魔よりも悪魔っぽい存在。


「なんでそんなことまで知っているんだ」「ふつうそこまで知りませんよ」とキャラにつっこまれても、「勉強したけえの」と言えば大抵のことは許されると思っているなど、余計に性質が悪い。

ニコル・クロムウェル(Nicol=Cromwell)


「Dr.ニコルの検死FILE」の主人公。

作者・今岡英二のつっこみ役A。紳士然とした丁寧な語り口だが、作者に対してはたまに辛辣な物言いを吐く。たぶんストレスがたまっているんだね。

武松(ぶしょう)


「大宋退魔伝」の主人公。

作者・今岡英二のつっこみ役B。そろそろ「左近ちゃん 見参!」の三成にでもつっこみ役を代わってもらいたいと思っているが、同作のキャラアイコンが家紋なので却下され、最近やさぐれ気味。きっとストレスがたまっているんだね。

石田三成(いしだ・みつなり)


「左近ちゃん 見参!」の主人公。

同作ではいいツッコミ役を果たしていたが、作者の「キャラアイコンにしっくりくるのがなかったけえ、家紋にした」という一言のせいで、ここでは活躍の場を与えられないという憂き目に遭う。ごめんな。


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