208話① 松山藩祖・松平定勝公を祀る「東雲神社」

文字数 1,091文字

松山城のふもとには「東雲神社」いう神社があるんよ。
どんな神社なんだ?

江戸時代後期にはやった藩祖を祀った神社じゃな。

なので、ここには松山藩の藩祖である松平定勝公が祀られとるんよ。

なかなかに立派な神社だな!
しかし登るのが大変そうですね……

ああ。

わりと上まで登らにゃあいけんけえ、けっこうハードじゃったで。

そういうの、ほんと、てめえは厭わねえよな……
歴史的なものを見たり、参拝したりするのに、苦労は厭わんよ。
それにしても、さきほどの松平定勝公っていうのは、いったい誰なんでしょうか?

一般的には有名じゃないじゃろうがな。

徳川家康の弟にあたる人よ。

弟!?
いたのか!?

ああ。

もっとも弟というても、異父弟じゃがな。

家康の母・於大の方は、家康の父・松平広忠に離縁させられた後、久松俊勝に嫁いどるけえ、異父弟はようけえおるんじゃ。

もっとも、松平広忠も側室に子を産ませたりしとるけえ、異母兄弟もそれなりにおるがの。

しかし、お母さんはなんで離縁させられたんですか?

於大の方の実家が、今川家に背いたからじゃな。

当時の松平家は今川家と従属関係にあったけえ、そこを慮ったいうところじゃろうて。

ちなみに家康の母・於大の方と家康の父・松平広忠は、婚姻関係中、家康しか子をなさなかったんで、家康の同父・同母兄弟いうのは、一人もおらんのよ。

なるほどな。
だから一人っ子のイメージが強いんですね。

まあ、それに関しては家康が織田家や今川家の人質暮らしが長かったけえ、いうのもあろうがの。

ただ、同父・同母兄弟がおらんかったせいか、わりと異父弟とは仲が良かったそうじゃ。

松平定勝なんかは親子ほども年の離れた弟じゃったせいもあってか、わりと目をかけとったそうなで。

そんなに離れてたんですか?

ああ。

家康にとっては末弟いうこともあってな。

家康と17歳差もあったそうなで。

マジかっ!?

おう。

ほいじゃけえ、家康は松平定勝をかなりかわいがり、信頼もしたんじゃろうて。

なんせ自身の死の床にもよびよせて、2代将軍・秀忠の相談役となるように遺言したともいわれとるけえな。

信頼感が半端ないですね。

ほうじゃな。

で、秀忠も自分の叔父である松平定勝を敬い、侍従職を進めたといわれとる。

じゃが、定勝がこれを固辞したけえ、秀忠は一旦それをひっこめたものの、その二か月後には左近衛権少将の官位を贈ったそうな。

で、それも断ったのか?

いや。

さすがに2回連続で断るんは失礼になる思うたんじゃろうな。

左近衛権少将の官位は、つつしんで受け取っとるんじゃ。

ま、それほどまでに秀忠からの信頼も厚かったいうことじゃな。

将軍からそこまで信頼をされれば、本望でしょうね。
だろうな。

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登場人物紹介

今岡英二公式ツイッター(一日トリビアつぶやき中)



■今岡英二(天使)


最近「小説のキャラよりキャラが立っている」といわれる、同コラボノベルの作者。

無駄に行動力だけはある。

なお、この絵は作者がバンド活動をしていたとき、知り合いのイラストレーターが作成してくれたお気に入りの一枚。現在はバンド活動から離れ、体重が増加したため、ここまでかっこよくはない。


「上京して十数年経つが、広島弁が抜けりゃあせんのう(笑)」とは本人の弁。


■今岡英二(悪魔)


悪魔イラストの割りに、天使と対立しているわけでもない。広島生まれ・広島育ちの根っからのカープファンだが、近年カープが人気しすぎて、年一回の帰省でも現地で野球が見れないのが最近の悩み。


「ええんじゃ。昔の貧乏な頃のカープに比べりゃあのう。みんなが見に来てくれて、潤うようになったカープがありゃあ、それだけでええんじゃ……」とは作者のコメント。

■今岡英二(お守り)


歴史オタク・読書オタク・漫画オタク・勉強オタクな今岡英二の変態担当、作家・ライター担当。自身の小説キャラを辟易とさせるなど、悪魔よりも悪魔っぽい存在。


「なんでそんなことまで知っているんだ」「ふつうそこまで知りませんよ」とキャラにつっこまれても、「勉強したけえの」と言えば大抵のことは許されると思っているなど、余計に性質が悪い。

ニコル・クロムウェル(Nicol=Cromwell)


「Dr.ニコルの検死FILE」の主人公。

作者・今岡英二のつっこみ役A。紳士然とした丁寧な語り口だが、作者に対してはたまに辛辣な物言いを吐く。たぶんストレスがたまっているんだね。

武松(ぶしょう)


「大宋退魔伝」の主人公。

作者・今岡英二のつっこみ役B。そろそろ「左近ちゃん 見参!」の三成にでもつっこみ役を代わってもらいたいと思っているが、同作のキャラアイコンが家紋なので却下され、最近やさぐれ気味。きっとストレスがたまっているんだね。

石田三成(いしだ・みつなり)


「左近ちゃん 見参!」の主人公。

同作ではいいツッコミ役を果たしていたが、作者の「キャラアイコンにしっくりくるのがなかったけえ、家紋にした」という一言のせいで、ここでは活躍の場を与えられないという憂き目に遭う。ごめんな。


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