147話① 越前福井藩の「福井城」

文字数 1,340文字

今日は福井の名所紹介なのか。

めずらしいですね。

ほうかの?
ぶっちゃけ福井っていわれても、いまいちピンとこないぜ。
福井にはわりと名所や名物があるんじゃがな。
そうなんですか?

ああ。

まずはなにをおいても、福井城じゃろうな。

これがそうじゃ!!

ほう、立派なもんだな!!
天守閣はないものの、石垣やお堀は立派なものですね!

ほうじゃな。

ま、有名でないんは百名城に選定されとらんのが響いたんじゃろうてな。

じゃが、ここの遺構は見ての通り、なかなかのもんなんよ。

なにしろここは天下人である徳川家康の次男・結城秀康が築いた城じゃといわれとるけえのう。

次男?

あ、そういえばたしか二代将軍・秀忠って三男でしたっけ?

切腹させられた長男が二代将軍にならなかったのはまだ納得できるんですが、

なんで秀忠より上の兄弟がいたのに、秀忠が将軍になったんですか

ああ、それは秀康が豊臣家に養子にいっとったせいなんよ。

秀康の秀は秀吉から、康は家康からということじゃな。

で、秀の字が上にあることからもわかるように、

この名は家康よりも上の立場だった秀吉から与えられたものなんじゃ。

その後、秀吉に実子が生まれたせいで、他家の結城家に再び養子に出されたというわけなんよ。

その実子って秀頼のことですか?

いや、その前に生まれとった鶴松じゃな。

ただ、この鶴松は8歳でこの世を去ったんじゃがな。

しかし、結城家の養子になってたからって、秀吉の元から離れてたんだったら、

後継者復帰とかって話はなかったのか?

一部ではあったそうなが、ほとんどなかったそうじゃな。
なんでだ?

秀康が父・家康から嫌われとったせいじゃな。

マジかっ!!

ああ。

嫌っておった理由も諸説あるんじゃ。

母のお万の方の身分が高くなかったせい、自分の子である確証がもてなかったせい、そもそも生まれたときの顔からして家康の好みでなかったせいなど、いろいろ言われておるのう。

顔が好みじゃなかったって……

これにもちゃんと理由があってな。

秀康に付けられた幼名が「於義丸(おぎまる)」というんじゃが、

これは「ギギ」という小型のナマズのような魚に顔が似て醜かったため、

この名前をあえてつけたとされとるんよ。

ひどい話だな……

家康のネーミングセンスの悪さはいろいろ伝えられとるが、

これもその一つじゃというてよかろうな。

で、そんだけ嫌っておったせいか、生まれたころに一目見た切り、

秀康が三歳になるまで対面もさせんかったそうな。

ますますひどい話だな……

でも、三歳のときに対面したわけなんですよね?

それはどういう心境の変化があったからなんですか?

ああ、それは長男で、当時まだ家督継承権のあった信康が説得したけえなんよ。
長男の説得ですか?

うむ。

信康が説得したとも、騙して会わせたともいわれとる。

じゃが、信康が異母弟・秀康の冷遇を不憫に思って、

父・家康に取り計らったというのは事実じゃな。

なるほどな。

でも、それだけ父親から嫌われてたら、秀吉との養子解消をされても、

後継者になれなかったっていうのも納得ですね。

ほうじゃな。

で、その後は結城家は二代で豊後に配流されるが、子孫は大きく五つの系統を立家。

福井藩自体も将軍家から養子を得て、幕末まで越前松平家として続いたいうことなんじゃ。

福井に歴史ありですね。
そういうことじゃな。

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登場人物紹介

今岡英二公式ツイッター(一日トリビアつぶやき中)



■今岡英二(天使)


最近「小説のキャラよりキャラが立っている」といわれる、同コラボノベルの作者。

無駄に行動力だけはある。

なお、この絵は作者がバンド活動をしていたとき、知り合いのイラストレーターが作成してくれたお気に入りの一枚。現在はバンド活動から離れ、体重が増加したため、ここまでかっこよくはない。


「上京して十数年経つが、広島弁が抜けりゃあせんのう(笑)」とは本人の弁。


■今岡英二(悪魔)


悪魔イラストの割りに、天使と対立しているわけでもない。広島生まれ・広島育ちの根っからのカープファンだが、近年カープが人気しすぎて、年一回の帰省でも現地で野球が見れないのが最近の悩み。


「ええんじゃ。昔の貧乏な頃のカープに比べりゃあのう。みんなが見に来てくれて、潤うようになったカープがありゃあ、それだけでええんじゃ……」とは作者のコメント。

■今岡英二(お守り)


歴史オタク・読書オタク・漫画オタク・勉強オタクな今岡英二の変態担当、作家・ライター担当。自身の小説キャラを辟易とさせるなど、悪魔よりも悪魔っぽい存在。


「なんでそんなことまで知っているんだ」「ふつうそこまで知りませんよ」とキャラにつっこまれても、「勉強したけえの」と言えば大抵のことは許されると思っているなど、余計に性質が悪い。

ニコル・クロムウェル(Nicol=Cromwell)


「Dr.ニコルの検死FILE」の主人公。

作者・今岡英二のつっこみ役A。紳士然とした丁寧な語り口だが、作者に対してはたまに辛辣な物言いを吐く。たぶんストレスがたまっているんだね。

武松(ぶしょう)


「大宋退魔伝」の主人公。

作者・今岡英二のつっこみ役B。そろそろ「左近ちゃん 見参!」の三成にでもつっこみ役を代わってもらいたいと思っているが、同作のキャラアイコンが家紋なので却下され、最近やさぐれ気味。きっとストレスがたまっているんだね。

石田三成(いしだ・みつなり)


「左近ちゃん 見参!」の主人公。

同作ではいいツッコミ役を果たしていたが、作者の「キャラアイコンにしっくりくるのがなかったけえ、家紋にした」という一言のせいで、ここでは活躍の場を与えられないという憂き目に遭う。ごめんな。


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