98話② 【レア】長宗我部元親の居城・「浦戸城」

文字数 1,391文字

で、その長宗我部元親は、当初、岡豊城を居城としとったわけなんじゃが、その後、高知城に居城を移したんじゃ。

じゃが、高知城は水害の多いところじゃったんで、天正19年(1591年)に浦戸城へと居城を移したんよ。

浦戸城?
あまり聞いたことがない名前だな……

ほうじゃろうな。

じゃが、地名としての「浦戸」なら、ペギー葉山の「南国土佐を後にして」の中でも「みませみせましょ 浦戸をあけて 月の名所は桂浜」とうたわれとるけえ、それで知っとる人もおるんじゃないかのう。

なるほどな。
しかし……、いいんでしょうか?

いいのか、とは?


だって、こういうのってジャスラックとかにひっかかるんじゃないんですか?
著作権ってやつか?

ああ、そういうことか。

それなら問題はないんじゃ。(キッパリ!)

どうしてだ?

というのも、「南国土佐を後にして」はもともと中国派遣鯨部隊(四国混成部隊)の中の高知歩兵第236部隊(鯨部隊)が「よさこいと兵隊」とか「南国土佐節」として歌っとったんが元歌なんよ。

で、それを「南国土佐を後にして」の作詞者・武政英策が改作したのが、あの歌いうことなんじゃ。

そうだったんですか。

じゃけえ、改作した方の作詞を全部載せたんなら著作権にひっかかるんじゃが、元歌と同じ歌詞の部分には著作権は適用されんけえ、問題はないいうことなんじゃ。


ま、このへんは「ズンドコ節」の元歌がもともと「海軍小唄」といわれとるもんで、作詞・作曲とも不明なんで、だれでもリメイクできるいうのと似たようなもんじゃな。

マジかっ!!
それもそれで驚きですよ!!

これでも法学部出身で、元バンドマン。

こういう知識はお手の物よ。

お、おう……

そうか……

しかし、歌詞の中に「桂浜」も一緒に出てくるということは、浦戸はわりと桂浜から近いんでしょうか?
近いいうか、ほぼ一緒じゃな。
一緒?

ああ。

いまも桂浜の「高知県立坂本龍馬記念館」の裏手には、その浦戸城の遺構がひっそりと残っとるけえな。

ほれ、これがそうじゃ。

ほんと、ひっそりだな!!
見る影もありませんよ!!

ほうじゃろ。

なんせ浦戸城は、元親の後に土佐藩主となった山内一豊も使うてはみたんじゃが、どうも手狭いうことで早いうちに破却されての。

その後、高知城を再建して、そっちに居城を移されたんじゃ。

じゃあ、そのせいで一気に廃れたってことですか?

それもあるじゃろうな。

じゃが、一番の要因は「浦戸城破却&高知城再建」の際に、

浦戸城の資材の一部が高知城に使われたということじゃろうな。

ということは、つまり……?

ああ。

藩主の山内一豊が積極的に浦戸城をぶっこわして、主だった資材を持って行ったせいいうことなんよ。

最悪だな!!

ま、しょうがなかろうて。

なにしろ長宗我部旧臣の抵抗は尋常のもんじゃなかったそうなんでな。

山内一豊が土佐に入ったはええが、「浦戸一揆」いう内乱まで起こされる始末。

なんとか一揆を鎮圧したんはええが、長宗我部の象徴じゃった居城をそのまま残すいうわけにはいかんかったんじゃろうじゃ。

ってことは、手狭ってのは建前か?

いや、それも理由としてはあったじゃろうな。

じゃが、長宗我部の息のかかった城をそのまま残して、そのまま使うのもしゃくじゃった。また、そのまま残しとくと、長宗我部旧臣らが心のよりどころにしかねんいう懸念があったんもまた事実じゃろうて。

厄介なことですね……

ま、これもこれとて、しょうがないことじゃて。

ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)
※これは自由参加コラボです。誰でも書き込むことができます。

※コラボに参加するためにはログインが必要です。ログイン後にセリフを投稿できます。

登場人物紹介

今岡英二公式ツイッター(一日トリビアつぶやき中)



■今岡英二(天使)


最近「小説のキャラよりキャラが立っている」といわれる、同コラボノベルの作者。

無駄に行動力だけはある。

なお、この絵は作者がバンド活動をしていたとき、知り合いのイラストレーターが作成してくれたお気に入りの一枚。現在はバンド活動から離れ、体重が増加したため、ここまでかっこよくはない。


「上京して十数年経つが、広島弁が抜けりゃあせんのう(笑)」とは本人の弁。


■今岡英二(悪魔)


悪魔イラストの割りに、天使と対立しているわけでもない。広島生まれ・広島育ちの根っからのカープファンだが、近年カープが人気しすぎて、年一回の帰省でも現地で野球が見れないのが最近の悩み。


「ええんじゃ。昔の貧乏な頃のカープに比べりゃあのう。みんなが見に来てくれて、潤うようになったカープがありゃあ、それだけでええんじゃ……」とは作者のコメント。

■今岡英二(お守り)


歴史オタク・読書オタク・漫画オタク・勉強オタクな今岡英二の変態担当、作家・ライター担当。自身の小説キャラを辟易とさせるなど、悪魔よりも悪魔っぽい存在。


「なんでそんなことまで知っているんだ」「ふつうそこまで知りませんよ」とキャラにつっこまれても、「勉強したけえの」と言えば大抵のことは許されると思っているなど、余計に性質が悪い。

ニコル・クロムウェル(Nicol=Cromwell)


「Dr.ニコルの検死FILE」の主人公。

作者・今岡英二のつっこみ役A。紳士然とした丁寧な語り口だが、作者に対してはたまに辛辣な物言いを吐く。たぶんストレスがたまっているんだね。

武松(ぶしょう)


「大宋退魔伝」の主人公。

作者・今岡英二のつっこみ役B。そろそろ「左近ちゃん 見参!」の三成にでもつっこみ役を代わってもらいたいと思っているが、同作のキャラアイコンが家紋なので却下され、最近やさぐれ気味。きっとストレスがたまっているんだね。

石田三成(いしだ・みつなり)


「左近ちゃん 見参!」の主人公。

同作ではいいツッコミ役を果たしていたが、作者の「キャラアイコンにしっくりくるのがなかったけえ、家紋にした」という一言のせいで、ここでは活躍の場を与えられないという憂き目に遭う。ごめんな。


ビューワー設定

背景色
  • 生成り
  • 水色