16話① 維新の地、鹿児島「うなぎのふじ井」

文字数 1,022文字

鹿児島市の観光地っていうとなにが思い浮かぶ?
唐突ですね。
そりゃ、まあ、パッと浮かぶのは、やっぱり西郷さんをはじめとした明治維新関連のもんと、あとは桜島ぐらいか。

まぁ、だいたいそんなもんよな。


というと、それ以外にもなにかあるんですか?
ない!
ねえのかよ!
ないな。そりゃひねり出せばないこともないが、一般的な知名度といい、資料的なものといい、だいたいそのへんに集約されるんじゃ。
マジか……。
残念ながらマジなんじゃ。前にも言うたが「廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)」が盛んじゃった地域では寺の打ち壊しが積極的に行われたわけなんじゃが、鹿児島ではそれがかなり顕著だったんじゃ。
そこまで打ち壊しをしたんですか?
おう、鹿児島は明治新政府をプッシュしたいうこともあってか、それを徹底的にやったんじゃ。その結果、明治のある時期、鹿児島には1件の寺も、1人のお坊さんも見当たらないという事態にすらなったほどじゃ。
マジかっ!?

残念ながらのう。鹿児島は新しい時代の先駆者たるべく、戦国時代・江戸時代のものを排除してしもうたんで、明治維新期のものはようけ残っとるが、それ以前のものはほとんど見られんようになってしもうたんじゃ。

薩摩藩主・島津家の墓所だってこんなありさまじゃ。

これはこれで荘厳な感じがしますが?
ほうじゃろ。たしかに墓所はええ雰囲気で残っとるんじゃ。ただ、いまはこの墓所が残るのみで、菩提寺である福昌寺は跡形もなく消えとるんじゃ。ほれ、このとおり。

うおっ、マジだ!

こんな立派な墓なのに、寺がねえのか?

ない。時代が消してしまったんじゃ。

時代がそうさせたとはいえ、惜しいことをしましたね。


ああ。なので、鹿児島では徹底的に明治維新関連のものを見聞するのがベスト。裏を返せば、その時代に興味がない人はあまりおもしろみが感じられん場所でもあるといえような。
お前さんはどうなんだ?
どうとは?
今岡先生が戦国時代を得意とされているのは知っていますが、それ以外の時代はどうなのかなと思いまして。

おう、そういうことか。それなら問題ない。わしは明治期のことを書いた本に参加したこともあるけえのう。

歴史に興味を持ったきっかけはたしかに戦国時代からじゃったが、そこから幅を広げていって、しまいには「古事記」「日本書紀」にも手出したぐらいじゃ。明治維新の頃はむしろわかりやすうてええわい(笑)。

(しまった……。こいつ変人だったの、忘れてた……)
(まだまだ甘く見てしまっていたようですね……)

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登場人物紹介

今岡英二公式ツイッター(一日トリビアつぶやき中)



■今岡英二(天使)


最近「小説のキャラよりキャラが立っている」といわれる、同コラボノベルの作者。

無駄に行動力だけはある。

なお、この絵は作者がバンド活動をしていたとき、知り合いのイラストレーターが作成してくれたお気に入りの一枚。現在はバンド活動から離れ、体重が増加したため、ここまでかっこよくはない。


「上京して十数年経つが、広島弁が抜けりゃあせんのう(笑)」とは本人の弁。


■今岡英二(悪魔)


悪魔イラストの割りに、天使と対立しているわけでもない。広島生まれ・広島育ちの根っからのカープファンだが、近年カープが人気しすぎて、年一回の帰省でも現地で野球が見れないのが最近の悩み。


「ええんじゃ。昔の貧乏な頃のカープに比べりゃあのう。みんなが見に来てくれて、潤うようになったカープがありゃあ、それだけでええんじゃ……」とは作者のコメント。

■今岡英二(お守り)


歴史オタク・読書オタク・漫画オタク・勉強オタクな今岡英二の変態担当、作家・ライター担当。自身の小説キャラを辟易とさせるなど、悪魔よりも悪魔っぽい存在。


「なんでそんなことまで知っているんだ」「ふつうそこまで知りませんよ」とキャラにつっこまれても、「勉強したけえの」と言えば大抵のことは許されると思っているなど、余計に性質が悪い。

ニコル・クロムウェル(Nicol=Cromwell)


「Dr.ニコルの検死FILE」の主人公。

作者・今岡英二のつっこみ役A。紳士然とした丁寧な語り口だが、作者に対してはたまに辛辣な物言いを吐く。たぶんストレスがたまっているんだね。

武松(ぶしょう)


「大宋退魔伝」の主人公。

作者・今岡英二のつっこみ役B。そろそろ「左近ちゃん 見参!」の三成にでもつっこみ役を代わってもらいたいと思っているが、同作のキャラアイコンが家紋なので却下され、最近やさぐれ気味。きっとストレスがたまっているんだね。

石田三成(いしだ・みつなり)


「左近ちゃん 見参!」の主人公。

同作ではいいツッコミ役を果たしていたが、作者の「キャラアイコンにしっくりくるのがなかったけえ、家紋にした」という一言のせいで、ここでは活躍の場を与えられないという憂き目に遭う。ごめんな。


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