184話② 幻のクエ鍋が食べられる「葵屋 浦和店」

文字数 1,472文字

で、誕生日になにかやったりとかすんのか?
いや、特に。
ねえのかよ!!

わしもええおっさんじゃけえのう……

友達呼んで誕生日パーティーとか、ようせんで……

地味にひきずってんな……
とはいえ、一応うちの夫婦ルールとして、お互いの誕生日前後の空いた時間で、予約した店にディナーにいくいうのがあるんじゃが、まあ、そんぐらいのもんかの。
ほう、それはそれでいいじゃねえか。
やっぱり高級レストランとかなんでしょうか?

いや、そこはお互いのリクエスト次第じゃな。

ちなみにわしは「ちょいと変わった料亭」「めったに食えそうにない、ジビエ料理」「どじょう鍋や深川鍋といった江戸風情のあるもん」をようリクエストします。

誕生日っぽくねえ!!!
もうちょっと考えましょうよ!!

そがいなこと言われてものう。

例年うちのクリスマスディナーなんか、忘年会も兼ねて、嫁さんと焼肉屋に飲みに行くいう感じじゃけえな。

いまさら「っぽさ」を求められても、困惑することしきりじゃわ。

いや、変わったやつだと思ってはいたものの……
ここまでとは思いませんでしたよ……
もっとも、今年行ったお店はけっこう誕生日っぽさもあったで。
ほう、どんなのだ?
今回は、「クエ鍋」が食いたいというリクエストに沿って「葵屋 浦和店」に行ってきたわ!!
クエ鍋!?
クエってけっこう高いんじゃないんですか?

ああ。

安くはないのう。

ほいじゃが、8000円のコースでかなり満足がいくもんじゃったで。

なにしろ呑み放題もついて、このお値段じゃったけえな。

ほれ、コース料理もこんなもんよ!!

おおっ、盛沢山だな!!
けっこう満足いったんじゃないんですか?
満足どころか、食いきれんかった……
マジかっ!!

なんせ画像にある、「前菜」「ナス田楽」「クエ鍋」「〆の雑炊」以外は夫婦二人でのメニューなんじゃが、それ以外は全部一人ひとり別で出てきた料理じゃけえな。

サラダ、刺身、鮭ハラス、天ぷらや白子も、一人ひとり別ですか?

ああ。

おかげで天ぷらが出てきた時点で、夫婦そろって「やばい……、鍋までたどり着けるかな?」いう始末で、鍋を食い終わった後に、〆の前の「白子ポン酢」が出てきた時には「嘘じゃろ!! まだ〆じゃねえのかよ!!」というありさまじゃったけえな。

で、〆の雑炊を残したと……
それだけならまだよかったんじゃがの。
まだ?
なにかあるんですか?

おう。

雑炊を半分ほど食うた後で、嫁さんと「もう無理……」「じゃあ、帰って胃薬でも飲むか……」いうて店員さん呼んだんじゃが、店員さんが「すいません。これからお誕生日プレートを出させていただきますので」と言われ、嫁さんが「あ、忘れてた! 無料で付けられるから、予約してたんだった!」いうありさまじゃったんよ。

ほう、いいじゃねえか!!
お誕生日っぽいですね!!

うむ。

ほいじゃが、嫁さんより雑炊を一杯分余計に食うておって、酒も一杯分余計に呑んでおったわしには、とうてい食えようはずもなく、「すまん。気持ちだけで十分じゃけえ、プレートは嫁さんが食うてくれ……」いうしかなかったわ。

マジか……
せっかくの誕生日プレートなのに……

そがいな目で見んさんな!

さすがに次回以降この店行く場合は、「クエを諦めて、もうちょっと品数の少ないコースでいくか」「個別注文でクエ鍋いけるのか聞いて、OKならそれでいこう」と決めたけえな。

その方がいいだろうな。

そんなわけで、値段以上に味に満足、そして量に関しては満足を通り越して殺人級ですらある「葵屋 浦和店」、みなさんもここに行かれる際はぜひ胃薬覚悟で行くように。

味がええんで、つい食いすぎること必至です!!

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登場人物紹介

今岡英二公式ツイッター(一日トリビアつぶやき中)



■今岡英二(天使)


最近「小説のキャラよりキャラが立っている」といわれる、同コラボノベルの作者。

無駄に行動力だけはある。

なお、この絵は作者がバンド活動をしていたとき、知り合いのイラストレーターが作成してくれたお気に入りの一枚。現在はバンド活動から離れ、体重が増加したため、ここまでかっこよくはない。


「上京して十数年経つが、広島弁が抜けりゃあせんのう(笑)」とは本人の弁。


■今岡英二(悪魔)


悪魔イラストの割りに、天使と対立しているわけでもない。広島生まれ・広島育ちの根っからのカープファンだが、近年カープが人気しすぎて、年一回の帰省でも現地で野球が見れないのが最近の悩み。


「ええんじゃ。昔の貧乏な頃のカープに比べりゃあのう。みんなが見に来てくれて、潤うようになったカープがありゃあ、それだけでええんじゃ……」とは作者のコメント。

■今岡英二(お守り)


歴史オタク・読書オタク・漫画オタク・勉強オタクな今岡英二の変態担当、作家・ライター担当。自身の小説キャラを辟易とさせるなど、悪魔よりも悪魔っぽい存在。


「なんでそんなことまで知っているんだ」「ふつうそこまで知りませんよ」とキャラにつっこまれても、「勉強したけえの」と言えば大抵のことは許されると思っているなど、余計に性質が悪い。

ニコル・クロムウェル(Nicol=Cromwell)


「Dr.ニコルの検死FILE」の主人公。

作者・今岡英二のつっこみ役A。紳士然とした丁寧な語り口だが、作者に対してはたまに辛辣な物言いを吐く。たぶんストレスがたまっているんだね。

武松(ぶしょう)


「大宋退魔伝」の主人公。

作者・今岡英二のつっこみ役B。そろそろ「左近ちゃん 見参!」の三成にでもつっこみ役を代わってもらいたいと思っているが、同作のキャラアイコンが家紋なので却下され、最近やさぐれ気味。きっとストレスがたまっているんだね。

石田三成(いしだ・みつなり)


「左近ちゃん 見参!」の主人公。

同作ではいいツッコミ役を果たしていたが、作者の「キャラアイコンにしっくりくるのがなかったけえ、家紋にした」という一言のせいで、ここでは活躍の場を与えられないという憂き目に遭う。ごめんな。


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