14話① いざ、登山! 名古屋の「マウンテン」

文字数 1,341文字

今回は名古屋ですか。

聞いた話によると、名古屋って大都市のわりに観光名所が少ないことで有名なんだろ?


たしか私も「全国主要8都市の魅力度調査で、2年連続の最下位になった」と聞きましたね。

チッチッチッ、甘い。甘いな。

これじゃから素人さんは困るんじゃ。

だからなんの素人なんですか。
そしてお前はなんの玄人のつもりだ。
たしかに名古屋は全国の都市の中でも観光地に恵まれておらん。有名どころはせいぜい名古屋城熱田神宮ぐらいで、レジャーもレゴランドぐらいのもの。これじゃあ、一般的な観光客はなかなか呼べんじゃろうて。
そりゃそうだろうよ。
しかしな、そう言うんは、名古屋に意外と見るべきものがごろごろしとるのを知らん証拠なんじゃ。
なにかあるんですか?
ニコル、47都道府県で一番寺が多いのがどこか知っとるか?
そりゃあ、京都でしょう?
ブーッ!
じゃあ、奈良か?
ブブーッ!!
言葉の流れから想像できた人もおろうが、答えは愛知県なんじゃ。
マジかっ!
おう、昨日言うた「廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)」を覚えとるか?
ええ、明治期のお寺の打ち壊しとかなんとか。
ああ、本当は明治新政府は寺と神社を分離するための「神仏分離令」を出しただけじゃったんじゃがの、それを拡大解釈されて、割と「寺の打ち壊し」が行われてしもうたんじゃ。それが廃仏毀釈なんよ。
そういえば廃仏毀釈を積極的に行ったところがあるとかなんとか言ってたな。
そう、つまり愛知県はその逆、あまり廃仏毀釈が行われなかった結果、寺が多く残ったというわけなんじゃ。
だから多く残っているわけなんですね。
もっとも第二次世界大戦のときの空襲で、主な寺は焼かれてしもうたんで、名古屋の大抵の寺は戦後建て直されたのが多いがの。
残念な話だな。
まあのう。ただそれでもけっこう見るべきところは多いぞ。なにしろ有名な戦国武将の出身地でもあるけえのう。
そうなんですか?
じゃあ、もう一つ問題じゃ。織田信長豊臣秀吉徳川家康源頼朝、この4人のうちで愛知県出身なのはどれじゃ?
え~っと……、では、秀吉!

ブーッ!

正解は全員愛知県の出身じゃ。

ずるくね?
たしかにずるい感は否めませんが……、それにしても全員愛知とはすごいですね。
おう、もっと言えば、家康以外は全員名古屋の生まれでもある。家康だけは同じ愛知の岡崎市出身じゃがの。ま、そういうわけじゃけえ、彼らの出生地や関連の寺など、いろいろと見るべきものはあるいうことなんよ。
それなのに、なんで魅力最下位とかになってんだろうな?
……それは愛知県や名古屋のアピール不足といえるかもしれんの。
アピール不足?
うむ、わしは好きで調べるし、研究するし、勉強するけえ知っとるが、ふつうの人はそうじゃなかろ。じゃけえ、アピールが足らにゃあ誰も気づかんし、だれも来んいうわけよ。

なるほど。


わしみたいに「名古屋市博物館」はもちろんのこと、「愛知県歯科医師会 歯の博物館」「名古屋市市政資料館」まで行く物好きはそうそうおらんじゃろうけえな。
そんなところまで行ったんですか!?
なんで行った!?
いろんな資料が見れるようなところ、わしがほおっておくはずがなかろうて。
(一度医者かなにかに見せた方がいいんじゃねえか、こいつ……)
(私、その医者なんですけど、丁重にお断りします……)

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登場人物紹介

今岡英二公式ツイッター(一日トリビアつぶやき中)



■今岡英二(天使)


最近「小説のキャラよりキャラが立っている」といわれる、同コラボノベルの作者。

無駄に行動力だけはある。

なお、この絵は作者がバンド活動をしていたとき、知り合いのイラストレーターが作成してくれたお気に入りの一枚。現在はバンド活動から離れ、体重が増加したため、ここまでかっこよくはない。


「上京して十数年経つが、広島弁が抜けりゃあせんのう(笑)」とは本人の弁。


■今岡英二(悪魔)


悪魔イラストの割りに、天使と対立しているわけでもない。広島生まれ・広島育ちの根っからのカープファンだが、近年カープが人気しすぎて、年一回の帰省でも現地で野球が見れないのが最近の悩み。


「ええんじゃ。昔の貧乏な頃のカープに比べりゃあのう。みんなが見に来てくれて、潤うようになったカープがありゃあ、それだけでええんじゃ……」とは作者のコメント。

■今岡英二(お守り)


歴史オタク・読書オタク・漫画オタク・勉強オタクな今岡英二の変態担当、作家・ライター担当。自身の小説キャラを辟易とさせるなど、悪魔よりも悪魔っぽい存在。


「なんでそんなことまで知っているんだ」「ふつうそこまで知りませんよ」とキャラにつっこまれても、「勉強したけえの」と言えば大抵のことは許されると思っているなど、余計に性質が悪い。

ニコル・クロムウェル(Nicol=Cromwell)


「Dr.ニコルの検死FILE」の主人公。

作者・今岡英二のつっこみ役A。紳士然とした丁寧な語り口だが、作者に対してはたまに辛辣な物言いを吐く。たぶんストレスがたまっているんだね。

武松(ぶしょう)


「大宋退魔伝」の主人公。

作者・今岡英二のつっこみ役B。そろそろ「左近ちゃん 見参!」の三成にでもつっこみ役を代わってもらいたいと思っているが、同作のキャラアイコンが家紋なので却下され、最近やさぐれ気味。きっとストレスがたまっているんだね。

石田三成(いしだ・みつなり)


「左近ちゃん 見参!」の主人公。

同作ではいいツッコミ役を果たしていたが、作者の「キャラアイコンにしっくりくるのがなかったけえ、家紋にした」という一言のせいで、ここでは活躍の場を与えられないという憂き目に遭う。ごめんな。


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