59話① 【変】歴史の息吹が感じられる「秋田の寺町」

文字数 1,138文字

今日は秋田の寺町でも紹介しちゃろうかの?
寺町?
お寺の町ってことですか?

おう、そのとおりじゃ。

寺が集まっとる地域のことを、そう呼ぶんじゃが、秋田にもそういうのがあるんじゃ。

寺が集まる?

それなんか意味あんのか?

むしろ葬儀や檀家の観点から、かなり無駄が多い気がするんですが、どうなんでしょうか?

むろん意味はあるで。

たしかにニコルのいうたことも、あながち間違ってはおらん。

葬儀や檀家の利便性から考えたら、人口比に応じて適度に分散しとるほうが理にはかなっとるんよ。

ただ寺を一か所に集めるのは、それはそれで意味があるんじゃ。

どういう意味があるんだ?

一つは管理のしやすさじゃな。

戦国時代は一向一揆に代表されるように、仏教徒が一致団結して為政者に歯向かったいう歴史があるけえな。

なので、いろんな宗派の寺を一か所に集めて、相互に見張らせるいうケースもあるんじゃ。

金沢の寺町なんかは、一向宗の多かった北陸なんで、こういう理由が強いのう。

なるほど。


あと、もう一つは都市の防衛ラインのためじゃな。
防衛ライン?

ああ。

戦国末期から江戸時代前期にかけての都市計画には、「いかに敵から攻められにくくするか」いうのも目的にあったんじゃ。

ただ、これに凝り過ぎると町割りが複雑になりすぎて、都市の機能性・利便性が低下するいう弱点があったんじゃ。

凝り過ぎたケースとしては、蒲生氏郷が町割りをした会津が例として挙げられるのう。

町割り?

ああ。

都市計画における図面、計画書みたいなもんじゃ。

ちなみにその凝り過ぎたケースの会津はどうなったんですか?

道路がまっすぐなのが少ない。

ちょっといけばすぐ右折左折を繰り返す。

江戸時代の徒歩生活でも不便なのに、

現代の車社会ではこれ以上ない不便さじゃな。

なので、観光地としてならいざ知らず、

都市機能はなかなか発展せんかった。

やりすぎはよくないってことか……

まあ、そういうことよ。

なので、大抵の場合、ある程度は都市の郊外で敵を食い止める機能を持たせようとしたわけなんじゃ。

バリケードってことですか?

ほうじゃな。

そして、そのバリケードをになったのが、寺町いうことなんよ。

寺がバリケードになるのか?

おう、なるで。

なにしろ寺には墓がある。

いざいうときは、その墓石を倒したり積み上げたりすれば、簡易的なバリケードができるけえな。

罰当たりだな……

破戒僧が言うな(笑)

ま、死んだ人間より生きた人間いうことよ。

また、さらにいえば、戦火で焼かれても、広い敷地がある寺なら、

それ以上の類焼が防げるいう側面があるのう。

なので、城下町の郊外に寺を配置したいうところはわりと多いんよ。

この秋田の寺町もそうなんじゃ!!

ほう、見事なもんだな!!
時代がかった雰囲気ですね!
まだまだあるけえ、次のページでも紹介しようかの!

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登場人物紹介

今岡英二公式ツイッター(一日トリビアつぶやき中)



■今岡英二(天使)


最近「小説のキャラよりキャラが立っている」といわれる、同コラボノベルの作者。

無駄に行動力だけはある。

なお、この絵は作者がバンド活動をしていたとき、知り合いのイラストレーターが作成してくれたお気に入りの一枚。現在はバンド活動から離れ、体重が増加したため、ここまでかっこよくはない。


「上京して十数年経つが、広島弁が抜けりゃあせんのう(笑)」とは本人の弁。


■今岡英二(悪魔)


悪魔イラストの割りに、天使と対立しているわけでもない。広島生まれ・広島育ちの根っからのカープファンだが、近年カープが人気しすぎて、年一回の帰省でも現地で野球が見れないのが最近の悩み。


「ええんじゃ。昔の貧乏な頃のカープに比べりゃあのう。みんなが見に来てくれて、潤うようになったカープがありゃあ、それだけでええんじゃ……」とは作者のコメント。

■今岡英二(お守り)


歴史オタク・読書オタク・漫画オタク・勉強オタクな今岡英二の変態担当、作家・ライター担当。自身の小説キャラを辟易とさせるなど、悪魔よりも悪魔っぽい存在。


「なんでそんなことまで知っているんだ」「ふつうそこまで知りませんよ」とキャラにつっこまれても、「勉強したけえの」と言えば大抵のことは許されると思っているなど、余計に性質が悪い。

ニコル・クロムウェル(Nicol=Cromwell)


「Dr.ニコルの検死FILE」の主人公。

作者・今岡英二のつっこみ役A。紳士然とした丁寧な語り口だが、作者に対してはたまに辛辣な物言いを吐く。たぶんストレスがたまっているんだね。

武松(ぶしょう)


「大宋退魔伝」の主人公。

作者・今岡英二のつっこみ役B。そろそろ「左近ちゃん 見参!」の三成にでもつっこみ役を代わってもらいたいと思っているが、同作のキャラアイコンが家紋なので却下され、最近やさぐれ気味。きっとストレスがたまっているんだね。

石田三成(いしだ・みつなり)


「左近ちゃん 見参!」の主人公。

同作ではいいツッコミ役を果たしていたが、作者の「キャラアイコンにしっくりくるのがなかったけえ、家紋にした」という一言のせいで、ここでは活躍の場を与えられないという憂き目に遭う。ごめんな。


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