81話② 【変】香川の「うどん発祥の地」

文字数 1,182文字

で、この天満宮にも、やっぱ「うどん発祥の地」の証拠があんのか?

おう、あるで。

これがそうじゃ!!

これは?
これは龍燈院跡の碑じゃな。

龍燈院跡?

ああ。

かの弘法大師が甥の智泉大徳に命じて、

ここにあった龍燈院いうお寺でうどんを作らせたといわれとるんじゃ。

なんで、また?

この智泉大徳はえらいお坊さんでな。

弘法大師の十大弟子の一人で、かつ、四哲にも数え上げられる名僧なんじゃ。

で、智泉大徳自身も弘法大師と一緒に中国で修行したともいわれとるし、

中国でうどん技術を学んだ弘法大師が智泉大徳に伝授したともいわれとるんじゃが、

なにはともあれ、弘法大師の影響でうどんとはなんたるかを学んだ智泉大徳が、

その両親をもてなすためにうどんを作ったんがはじまりじゃとされとるんよ。

では、はじめは親孝行のためのうどん作りだったんですね。

そういうことじゃな。

なので、当地ではいまでも客をもてなすためのうどん作りいう風習があるそうな。

おもしろい風習だな。

ほうじゃな。

じゃが、それ以上におもしろい「うどん祭り」いう行事が、この天満宮には残されとるんで。

うどん祭り!?
なんだそれはっ!?

ああ。

毎年4月24日には、香川県製麺業界・綾川町のうどん研究会が献麺式を執り行ってな。

その後、龍燈院跡に年に一度だけ仮舎を設え、

代々の報恩感謝の祈りを捧げるいう行事があるんじゃ。

この行事の通称が「うどん祭り」と呼ばれとるんじゃ。

マジか……
さすが福岡同様、うどん発祥の地を宣言しているだけはありますね。

ほうじゃな。

ちなみに日本にはもう一か所「うどん発祥の地」をうたっとるところがあるんじゃがな。

まだあんのか!?

ああ。

最後の一か所は奈良の春日大社じゃな。

歴史的にも有名な神社じゃないですか!!

ああ。

実は永祚元年(989年)に遣唐使が日本に伝えた唐菓子の中に「はくたく」いうもんがあってな。これが「はくたくうどん」といううどんの原型じゃったという説があるんよ。

マジでっ!?

おう。

で、一条天皇が春日大社を訪れた際にこの「はくたく」がふるまわれたという記録があるんで、「春日神社=うどん発祥地説」が成立するんじゃそうな。

それ、どんな記録なんですか?
藤原実資いう貴族が著した『小右記』じゃな。
ほんと、よく知ってんな……
じゃあ、春日神社にもそういう発祥地の碑があるんですか?
ない。
ねえのかよ!!

ああ。

これはわりと最近いわれ出した説のせいか、あまり声高にはいわれとらんけえな。

もし碑があったら見にいったか?

そういうの抜きにしても、奈良の春日大社は行っとるけえな。

あったら、ふつうに写真に収めとるじゃろうて。

お前さんなら、そうだろうな……

ま、写真に映りこんでないいうのは、そういうことじゃろうて。


そんなわけでブラタモリでも紹介された香川県綾川町の「滝宮天満宮」、いろいろと見どころも満載なんで、みなさんもぜひ一度足を運んでみてつかあさい!!

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登場人物紹介

今岡英二公式ツイッター(一日トリビアつぶやき中)



■今岡英二(天使)


最近「小説のキャラよりキャラが立っている」といわれる、同コラボノベルの作者。

無駄に行動力だけはある。

なお、この絵は作者がバンド活動をしていたとき、知り合いのイラストレーターが作成してくれたお気に入りの一枚。現在はバンド活動から離れ、体重が増加したため、ここまでかっこよくはない。


「上京して十数年経つが、広島弁が抜けりゃあせんのう(笑)」とは本人の弁。


■今岡英二(悪魔)


悪魔イラストの割りに、天使と対立しているわけでもない。広島生まれ・広島育ちの根っからのカープファンだが、近年カープが人気しすぎて、年一回の帰省でも現地で野球が見れないのが最近の悩み。


「ええんじゃ。昔の貧乏な頃のカープに比べりゃあのう。みんなが見に来てくれて、潤うようになったカープがありゃあ、それだけでええんじゃ……」とは作者のコメント。

■今岡英二(お守り)


歴史オタク・読書オタク・漫画オタク・勉強オタクな今岡英二の変態担当、作家・ライター担当。自身の小説キャラを辟易とさせるなど、悪魔よりも悪魔っぽい存在。


「なんでそんなことまで知っているんだ」「ふつうそこまで知りませんよ」とキャラにつっこまれても、「勉強したけえの」と言えば大抵のことは許されると思っているなど、余計に性質が悪い。

ニコル・クロムウェル(Nicol=Cromwell)


「Dr.ニコルの検死FILE」の主人公。

作者・今岡英二のつっこみ役A。紳士然とした丁寧な語り口だが、作者に対してはたまに辛辣な物言いを吐く。たぶんストレスがたまっているんだね。

武松(ぶしょう)


「大宋退魔伝」の主人公。

作者・今岡英二のつっこみ役B。そろそろ「左近ちゃん 見参!」の三成にでもつっこみ役を代わってもらいたいと思っているが、同作のキャラアイコンが家紋なので却下され、最近やさぐれ気味。きっとストレスがたまっているんだね。

石田三成(いしだ・みつなり)


「左近ちゃん 見参!」の主人公。

同作ではいいツッコミ役を果たしていたが、作者の「キャラアイコンにしっくりくるのがなかったけえ、家紋にした」という一言のせいで、ここでは活躍の場を与えられないという憂き目に遭う。ごめんな。


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