179話② 日本最古の西洋式銅像・金沢の「日本武尊像」

文字数 1,146文字

しかし、なんで兼六園は兼六園っていうんですか?
名前の由来いうことかの?
そうですね。
名付け親は白河藩主の松平定信公じゃとも、加賀藩主の前田斉広公じゃともいわれとるが、由来そのものは中国北宋時代の書『洛陽名園記』から引用されたといわれとるのう。
北宋っていうと、ちょうど俺の時代ってことか?

そういうことになるのう。

で、その書の中で、中国洛陽の名園・湖園を「宏大・幽邃・人力・蒼古・水泉・眺望の六つを兼ね備える名園」というとるんじゃが、そこにあやかって「六つを兼ね備える名園=兼六園」と名付けたといわれとるんよ。

なるほどな。
そのぐらいの自信があったというわけなんですね。

ま、そういうことじゃな。

実際、ここはふだんもなかなかに見応えある庭園なんじゃが、桜・梅・紅葉の名所でもあってな。

それこそ四季折々に見せる姿の変わる、名所中の名所といえるところなんよ。

季節の植物が豊富なんですね。


しかし、それだと雪深い時期は退屈なんじゃねえか?

さにあらず。

ここは雪深い時期こそ、絶景が拝めるんよ。

なんでだ?

というのも、雪に備えて行われる雪吊が冬の風物詩となっとってな。

雪が降る前の雪吊も見事なら、雪が降った後の雪吊もまた見事。

それ目的で訪れる人もおるいう具合なんじゃ。

それはたしかに見応えありそうですね!
ちょっと興味そそられるな!

ほうじゃろ。

むろん四季折々の表情以外も、それはそれで乙なもんがあるんじゃがの。

個人的には、ここの銅像こそぜひ見てほしいと思っとるんじゃ。

庭園で銅像?
わざわざ推すようなものか?

ああ。

なんせここ兼六園にある日本武尊像は、実は日本最古の西洋式銅像じゃけえな。

そう、これがその「日本武尊像」じゃ!!

マジであるのか!!
しかもそこそこ大きいですね!

ほうなんよ。

ちなみにこの銅像、正式には「明治紀念之標」いうてな。

1880年(明治13年)に建立されたものなんじゃ。

140年近く前のものか!
で、ふつう銅像いうたらハトのふんにやられがちなもんなんじゃが、この銅像はその被害にほとんどあわんことでも知られとるんよ。
ハトのふんにやられねえ?
なんでなんですか?
なんでなんですか?後の調査によって、銅像の中に猛毒のヒソが15%も含まれとることがわかったんじゃ。
15%!?


多いなっ!!

で、この調査を実施した金沢大学の廣瀬幸雄名誉教授は、「ハトを寄せ付けない銅像の化学的研究」という論文を発表して、2003年(平成15年)のイグ・ノーベル賞を受賞されとるんじゃ。
イグ・ノーベル賞って……

うむ。

変な研究ばかりが受賞する、「変人ノーベル賞」じゃな。

マジかっ!!
なので、兼六園は名庭園ぶりを拝めると同時に、そういう変わったもんも見ることができる貴重な名園といえるじゃろうてな。
もうちょっと……
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登場人物紹介

今岡英二公式ツイッター(一日トリビアつぶやき中)



■今岡英二(天使)


最近「小説のキャラよりキャラが立っている」といわれる、同コラボノベルの作者。

無駄に行動力だけはある。

なお、この絵は作者がバンド活動をしていたとき、知り合いのイラストレーターが作成してくれたお気に入りの一枚。現在はバンド活動から離れ、体重が増加したため、ここまでかっこよくはない。


「上京して十数年経つが、広島弁が抜けりゃあせんのう(笑)」とは本人の弁。


■今岡英二(悪魔)


悪魔イラストの割りに、天使と対立しているわけでもない。広島生まれ・広島育ちの根っからのカープファンだが、近年カープが人気しすぎて、年一回の帰省でも現地で野球が見れないのが最近の悩み。


「ええんじゃ。昔の貧乏な頃のカープに比べりゃあのう。みんなが見に来てくれて、潤うようになったカープがありゃあ、それだけでええんじゃ……」とは作者のコメント。

■今岡英二(お守り)


歴史オタク・読書オタク・漫画オタク・勉強オタクな今岡英二の変態担当、作家・ライター担当。自身の小説キャラを辟易とさせるなど、悪魔よりも悪魔っぽい存在。


「なんでそんなことまで知っているんだ」「ふつうそこまで知りませんよ」とキャラにつっこまれても、「勉強したけえの」と言えば大抵のことは許されると思っているなど、余計に性質が悪い。

ニコル・クロムウェル(Nicol=Cromwell)


「Dr.ニコルの検死FILE」の主人公。

作者・今岡英二のつっこみ役A。紳士然とした丁寧な語り口だが、作者に対してはたまに辛辣な物言いを吐く。たぶんストレスがたまっているんだね。

武松(ぶしょう)


「大宋退魔伝」の主人公。

作者・今岡英二のつっこみ役B。そろそろ「左近ちゃん 見参!」の三成にでもつっこみ役を代わってもらいたいと思っているが、同作のキャラアイコンが家紋なので却下され、最近やさぐれ気味。きっとストレスがたまっているんだね。

石田三成(いしだ・みつなり)


「左近ちゃん 見参!」の主人公。

同作ではいいツッコミ役を果たしていたが、作者の「キャラアイコンにしっくりくるのがなかったけえ、家紋にした」という一言のせいで、ここでは活躍の場を与えられないという憂き目に遭う。ごめんな。


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