85話② 【変】岡山「備前長船刀剣博物館」

文字数 1,081文字

備前長船刀剣博物館なんてのがあったんですね。

おう。

ここでは常時、刀剣約40口を展示しとるんで、

刀剣好きにはたまらんところなんで。

ちなみに実際はこんな感じじゃ!

ほう、雰囲気あるところだな。

中の写真はないんですか?

ああ。

さすがに中は写真撮れんけえ、

外観と刀鍛冶をする工房しか撮影できんかったんよ。

じゃが、それなりに満足いく内容ではあったで。

それなり?

うむ。

500円という入場料金を高いとみるかどうかじゃろうな。

今岡先生としては?

刀剣をこれだけ集めるとなりゃあ、妥当じゃろうて。

むしろ刀剣好きには安いぐらいかもしれん。

ただ……

ただ?

博物館としてはやや高いかもしれんのう。

なにしろわしは、どっちかといえば刀剣より甲冑好きじゃしな。

マジかっ!!

そういえば刀剣に比べて甲冑ってどこも展示が少ない気がするんですが

なにか理由があったりするんでしょうか?

ああ。

どっちも武士の時代では実用品ではあったんじゃがな。

ただ、刀剣はそれにくわえて、一品物の美術品としての価値もあったんよ。

いまでいえば、金持ったサラリーマンが自己顕示のために

高級腕時計や高級ゴルフクラブを持ったりするんと同じような感覚もあったというわけなんじゃ。

では、甲冑の方は?
では、甲冑の方は?こっちはあくまで実用品一辺倒じゃな。

なので、美術的価値は昔からあまり見積もられておらんかったんよ。

でも、けっこう変わり種の甲冑もあったりするよな?

ほうじゃな。

じゃが、ああいうのは流行りのデザイン性がうけとっただけ。

刀と違ってひとつのブランドとして確立されとったわけじゃないんよ。

そうなんですか?

ああ。

なので刀に関しては、刀身部分は昔から名のある刀工が打っとった。

鞘やら拵えやらの職人もおるにはおったが、

あくまで部品扱いでほとんど名前も残らんかった。

甲冑は全部が部品扱いで、刀剣の他の部分同様、

パーツごとの職人はおったものの、

やはり名前が残るようなことはなかった、というわけじゃな。

なるほどな。

むろん例外はあるものの、おおむねそういうもんじゃと思ってもらってええわ。

例外っていうのは?

たとえば伊達政宗が愛用した甲冑は、雪下胴といって、

鎌倉の雪下久家という職人が作ったと伝えられとるんよ。

刀工ほどではないが、甲冑の職人でも名が伝えられるものはおるいうことなんじゃ。

いるにはいるんだな。

そういうこと。

むろんかなり数は少ないがの。

しっかし、ほんとよく知っていますね。
勉強したけえな。
はいはい……
はいはい……
そんなわけで備前長船の伝統を今に伝える「備前長船刀剣博物館」、みなさんも岡山に行かれた際にはぜひ一度足を運んでみてつかあさい!!

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登場人物紹介

今岡英二公式ツイッター(一日トリビアつぶやき中)



■今岡英二(天使)


最近「小説のキャラよりキャラが立っている」といわれる、同コラボノベルの作者。

無駄に行動力だけはある。

なお、この絵は作者がバンド活動をしていたとき、知り合いのイラストレーターが作成してくれたお気に入りの一枚。現在はバンド活動から離れ、体重が増加したため、ここまでかっこよくはない。


「上京して十数年経つが、広島弁が抜けりゃあせんのう(笑)」とは本人の弁。


■今岡英二(悪魔)


悪魔イラストの割りに、天使と対立しているわけでもない。広島生まれ・広島育ちの根っからのカープファンだが、近年カープが人気しすぎて、年一回の帰省でも現地で野球が見れないのが最近の悩み。


「ええんじゃ。昔の貧乏な頃のカープに比べりゃあのう。みんなが見に来てくれて、潤うようになったカープがありゃあ、それだけでええんじゃ……」とは作者のコメント。

■今岡英二(お守り)


歴史オタク・読書オタク・漫画オタク・勉強オタクな今岡英二の変態担当、作家・ライター担当。自身の小説キャラを辟易とさせるなど、悪魔よりも悪魔っぽい存在。


「なんでそんなことまで知っているんだ」「ふつうそこまで知りませんよ」とキャラにつっこまれても、「勉強したけえの」と言えば大抵のことは許されると思っているなど、余計に性質が悪い。

ニコル・クロムウェル(Nicol=Cromwell)


「Dr.ニコルの検死FILE」の主人公。

作者・今岡英二のつっこみ役A。紳士然とした丁寧な語り口だが、作者に対してはたまに辛辣な物言いを吐く。たぶんストレスがたまっているんだね。

武松(ぶしょう)


「大宋退魔伝」の主人公。

作者・今岡英二のつっこみ役B。そろそろ「左近ちゃん 見参!」の三成にでもつっこみ役を代わってもらいたいと思っているが、同作のキャラアイコンが家紋なので却下され、最近やさぐれ気味。きっとストレスがたまっているんだね。

石田三成(いしだ・みつなり)


「左近ちゃん 見参!」の主人公。

同作ではいいツッコミ役を果たしていたが、作者の「キャラアイコンにしっくりくるのがなかったけえ、家紋にした」という一言のせいで、ここでは活躍の場を与えられないという憂き目に遭う。ごめんな。


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