180話① キリシタン大名・高山右近の像

文字数 1,377文字

ほいじゃあ、今日は大阪の郊外・高槻の名所と名物でも紹介しちゃろうて。

高槻?

すいません。

いまいちピンとこないんですが……

まあのう。

大阪と京都にはさまれたところで、ぶっちゃけ存在感の薄いところじゃけえな。

大阪と京都、それぞれどのぐらいの距離なんですか?

大阪から21.2km、京都から21.6kmとちょうど中間じゃな。

電車じゃと、新大阪から高槻までが10分

京都から高槻までが13分いうところなんよ。

近っ!

ほうなんよ。

ほいじゃけえ、かえって存在感も薄れるいうもんなんじゃ。

実際、高槻は京都と大阪のベッドタウン化しとってな。

市の公的なキャッチフレーズですら「水とみどりの生活文化都市」という感じで、あくまで「京都に通勤するんでも大阪に通勤するんでも、うちなら住みやすいですよ」いうのを前面に押し出しとるありさま。

果ては市章ですら、大阪市と京都市の市章を融合させたようなデザインになっとるんじゃけえな。

マジか……
しかし、そんなところに名所なんてあるんでしょうか?

まあ、懸念もわからんでもないのう。

実際、高槻は住環境を前面に押し出しとって、観光は二の次いうような街じゃけえな。

ほいじゃが、そんな高槻でもちゃんと見るべきところはあるんよ。

これが高槻の見るべき名所・高槻城跡じゃ!

す、すごい……とはお世辞にも言えませんね。
どこにでもありそうな城跡って感じだな。

まあのう。

見栄えがせんのは否定せんわ。

じゃが、ここでおもしろいのは、むしろここを治めておった戦国武将・高山右近の像なんよ。

高山右近?

ああ。

戦国時代の代表的なキリシタン大名でな。

利休七哲に数え上げられるほどの茶人であり文化人でもあったんじゃが、

他のキリシタン大名とは一線を画すほどの熱狂的なキリシタンじゃったといわれとるんよ。

他のキリシタン大名とどう違うんです?

ほうじゃな。

当時のキリシタン大名のたいていは「西洋との貿易のための便宜的なキリシタン」じゃったいわれとるんよ。

なので、西洋との貿易の旨みが減少、ないしは秀吉や家康からにらまれると即座に棄教したもんなんじゃが、高山右近はかたくなにそれを拒否。

大名の地位を捨てるかキリスト教を捨てるかを迫られると、即座に大名の地位を捨てたといわれとるんじゃ。

マジかっ!!

ああ。

なので高山右近は大名を辞めた後、加賀の前田家に客将として仕え、その後、禁教令が出るや、マニラに流されて当地で没したといわれとる。

そこまでされてもキリスト教を捨てなかったんですね……

うむ。

なので、高槻城跡からほど近い「カトリック高槻教会」にも、高山右近像が存在しておる。

これがそうじゃ!!

マジだった!!
これはおもしろいですね!!

ほうじゃろ。

戦国武将の銅像が寺や神社にあるのはよう見るが、カトリック教会にあるのはそうそうないで。

たしかに!!

ちなみに高山右近は没後400年にあたる平成27年(2015年)に「地位を捨てて信仰を貫いた殉教者である」として、福者に認定するようローマ教皇庁に申請され、ローマ教皇庁もこれを認可しとるんじゃ。

つまりキリスト教の総本山すら認めた殉教者というわけなんよ。

そりゃ、教会も銅像建てるわけだな。

なお、没した地のマニラにも高山右近像と碑があるそうな。

で、その縁で高槻市とマニラ市は姉妹都市になっとるそうなけえ、高山右近が残した絆は今でも脈々と息づいとるというわけじゃな。

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登場人物紹介

今岡英二公式ツイッター(一日トリビアつぶやき中)



■今岡英二(天使)


最近「小説のキャラよりキャラが立っている」といわれる、同コラボノベルの作者。

無駄に行動力だけはある。

なお、この絵は作者がバンド活動をしていたとき、知り合いのイラストレーターが作成してくれたお気に入りの一枚。現在はバンド活動から離れ、体重が増加したため、ここまでかっこよくはない。


「上京して十数年経つが、広島弁が抜けりゃあせんのう(笑)」とは本人の弁。


■今岡英二(悪魔)


悪魔イラストの割りに、天使と対立しているわけでもない。広島生まれ・広島育ちの根っからのカープファンだが、近年カープが人気しすぎて、年一回の帰省でも現地で野球が見れないのが最近の悩み。


「ええんじゃ。昔の貧乏な頃のカープに比べりゃあのう。みんなが見に来てくれて、潤うようになったカープがありゃあ、それだけでええんじゃ……」とは作者のコメント。

■今岡英二(お守り)


歴史オタク・読書オタク・漫画オタク・勉強オタクな今岡英二の変態担当、作家・ライター担当。自身の小説キャラを辟易とさせるなど、悪魔よりも悪魔っぽい存在。


「なんでそんなことまで知っているんだ」「ふつうそこまで知りませんよ」とキャラにつっこまれても、「勉強したけえの」と言えば大抵のことは許されると思っているなど、余計に性質が悪い。

ニコル・クロムウェル(Nicol=Cromwell)


「Dr.ニコルの検死FILE」の主人公。

作者・今岡英二のつっこみ役A。紳士然とした丁寧な語り口だが、作者に対してはたまに辛辣な物言いを吐く。たぶんストレスがたまっているんだね。

武松(ぶしょう)


「大宋退魔伝」の主人公。

作者・今岡英二のつっこみ役B。そろそろ「左近ちゃん 見参!」の三成にでもつっこみ役を代わってもらいたいと思っているが、同作のキャラアイコンが家紋なので却下され、最近やさぐれ気味。きっとストレスがたまっているんだね。

石田三成(いしだ・みつなり)


「左近ちゃん 見参!」の主人公。

同作ではいいツッコミ役を果たしていたが、作者の「キャラアイコンにしっくりくるのがなかったけえ、家紋にした」という一言のせいで、ここでは活躍の場を与えられないという憂き目に遭う。ごめんな。


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